新型コロナウイルスの影響により、ビジネスでのオンラインツール活用は当たり前になりつつある。しかしながら、設備の設計から据え付け、アフターサポートまでをオンラインで完結した実績は業界内でもまだまだ少ないのではないだろうか。
コロナ禍においても、右肩あがりで業績を伸ばし続けているYN2-TECH (THAILAND) CO., LTD.(以下YN2)は、コスモ計器のインド法人COSMO INSTRUMENTS INDIA PVT. LTD.(以下コスモインド)の協力を得て、タイで製造した設備をインドにある顧客工場へ納めるオンラインを活用した遠隔納入プロジェクトに成功している。
今回は、本プロジェクトのキーマンでもある、COSMOWAVE TECHNOLOGY CO., LTD.の西村氏と、コスモインドのエンジニアであるサンディープ氏を交えてそのプロジェクトの全容と、YN2中村MDが考える同社が目指すアフターコロナの営業スタイルについて前後編で紹介していく。
案件の動き出しは2019年。YN2がタイで納品している設備を、同顧客のインド工場にも納品するというもの。製作の真っ只中で、タイも本格的なロックダウンに突入し、海外渡航が難しい状況となっていた。現地インドへの同行はもちろんのこと、自社の製品ではない設備の組付けを請け負うことに難色を示すサプライヤーがほとんどで、パートナー探しは難航。
そんな厳しい状況の中、YN2に手を差し伸べたのがコスモ計器西村氏だった。
コスモインドは、日系製造業のハブであるグルガオンに本社を構え、今年でインド進出15周年を迎える。インド国内向けのリークテスター関連機器の販売・サポートの他に、非加工機(検査機など)設備の設計~導入までをワンストップで提供している。インドにある日系企業でこのようなワンストップサービスを提供できるのはコスモインドだけである。社員65名のうち、約半数がエンジニア。自社製品でない設備の組付けができるのはその技術レベルの高さが故である。
西村氏はタイ駐在以前にインド法人の立ち上げを経験しており、現在もインド法人の要職を兼務している。現地の事情に精通しており、インドでの経験豊富だったことから、今回のプロジェクトを引き受けるに至った。
コスモ西村(敬称略): 今回は、共通のお客様の案件であり、弊社機器が搭載された設備が含まれているなどの条件も合致したことで、コスモインドなら対応できると判断しました。YN2様が納得できる仕事ぶりとなるか少し不安もありましたが、YN2様側の強い熱意を感じ、承諾しました。
結果として、約40セット・3ラインにも及ぶ設備の組付けが完了した。
そして、同案件では以下の全てをオンラインで完結している。
・商談
・見積もり提出
・機械使用確認、図面承認
・機械進捗状況報告
・出荷前監査
・現地立ち上げ
・機械装置指導
・機械調整
・検収
数か月間、連日連夜オンラインでタイとインドの現場をつなぎ、組付け調整からエンジニアトレーニングなどを実施。特に現地のつなぎ役となったのがコスモインドのサンディープ氏であった。YN2、コスモインド双方での協力と信頼関係があったから成せた案件である。
コスモ 西村: インド市場の拡大に伴って、タイで製造した設備をインドに納めたいという相談は数多く寄せらせてきましたが、現地に任せっきりなケースが多く、今回のようにプロジェクトに関わった全ての人が満足した形で完結した実績は稀です。トラブル発生時のYN2の判断も大変速く、レスポンスが良かったこともうまくいった要因の1つでしょう。コロナ前と比較しても進行スピードに遜色なく、オンラインツールをうまく活用して順調に進めることができた初めての実績だと思います。
コスモ サンディープ(敬称略): 海外法人とのプロジェクトは、我々もこれまで多く経験してきましたが、ここまで商社側が付きっきりでサポートしてくれた案件は初めてでした。誠意をもって対応してくれたことで現場エンジニアたちもYN2の案件であれば今後も請けたい、一緒に仕事がしたい、という強い熱意と信頼感を持っています。
オンライン上で構築した今回の信頼と実績が、次なるビジネスステージにつながっている。 西村氏をはじめとするコスモインドチームからの絶大なる信頼は、YN2の 「人と人とをつなぐ」 ビジネスポリシーが具現化できた証そのものである。
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