日系企業への就職や少子高齢化が進む日本での就労を希望する海外の人々を対象に、日本文化への理解や教育、商習慣を身に付けるための取り組みや事業が海外各地で広がっている。
顧客企業の会計代行を中心としたタイのアウトソーシングサービス業「Accounting Porter Co., Ltd.(以下、アカウンティングポーター)」が、マレーシア・クアラルンプールにあるIT企業「eeevo malaysia Sdn Bhd(以下、イーボ・マレーシア)」と立ち上げた合弁企業も、この事業分野に新たに参入した。その狙いと事業計画について双方の代表者に対談してもらった。
但野:このたびタイ合弁会社として立ち上げた「eeevo (Thailand) Co.,Ltd.」は両社の折半出資会社。イーボ・マレーシアが、アジア一帯で展開する外国人労働者向け就労支援サービスのタイにおける事業会社の位置付けです。タイの日系企業や日本での就労を希望するタイ人向けにビジネスマナーや商習慣を紹介・教育し、日本語能力試験などのサポートなども行います。
荒木:当社、イーボグループは、「日本ビジネス能力認定試験」を実施している一般社団法人「日本ビジネス能力認定協会(JBAA)」とマレーシア、シンガポール、タイなどにおける海外代理店契約を結んでいて、マレーシアではすでに事業をスタート。このたび、タイでの展開を開始することとなりました。
タイでの事業開始を決めた背景には、ひとえに日系企業や日本での就労を希望する方々が多いという事情によります。公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主管する「日本語能力試験」(N1~N5)を受験したタイ人は年間約2万4000人(2017年度実績)にものぼります。日本の文化や食も浸透している親日の国、タイ。マレーシアでの経験をタイでも活かしたいという思いがあります。
但野:荒木さんとは、日本でウェブマーケティング事業に携わっている時に同僚として知り合いました。その後、私はタイでアカウンティングポーターを立ち上げ、荒木さんはマレーシアでイーボ・マレーシア、そして人材紹介業Agensi Pekerjaan AN Asia Sdn Bhdを設立されました。今回、荒木さんからお話をいただいた時に、「何かのご縁だ」と考え、合弁事業への参加を決めました。
荒木:気心知れた但野さんがタイにおられ、とても心強く感じています。タイ事業としては今後、日系企業などでの就労が決まった、あるいは希望する方々などを対象とした研修事業をスタートさせた後に、日本ビジネス能力認定試験に向けたテキストの翻訳及び販売も開始。そして来年早々には公開試験の実施に踏み切りたいと思っています。
但野:事業拡大につき、そのための新戦力にも入社していただきました。日本とタイで長らく証券業界や企業の経理・財務を担当されてきた佐藤健太さんです。タイ語も堪能。将来は、北部チェンマイでコンサルタント事業を夢見る逸材です。新たな陣容で、日系企業ならびに日本での就労を希望するタイの方々に向けた付加価値の高いサービスを提供してまいります。
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