今回は全4回シリーズの第3回目として、海外リモート進出™の活用術としてご案内の中心となる運用フェーズについて、そのメリットを最大限に享受できる活用術を取り上げていきます。
前回でご案内した法人設立なし、駐在員なしの前提での海外現地運営として、いったいどこまできっちりと現地がまわせるのか、そういった面も含めて掘り下げて解説していきます。
では早速見ていきましょう。
図の構成は前回の進出時のものと同じになります。まず最初は、意外と見落としがちな出張対応部分です。
上図のとおり、金額だけ比較してもらうと、リモートのほうが費用がかかるのではということで記載されてますが、実は次回最後の回でもご案内する「駐在員をおいた場合の維持費」との比較をしてもらったほうが、より正確な内容になっています。
出張せずとも、そして駐在員なしでもその維持費と合算して比較してもらえれば、必要な部分だけリモートとして外注する費用のほうがリーズナブルになります。
もちろん、出張は現地経費ではなく本社経費なので、というコスト区分の考え方も会社によってはあるでしょうから、何も出張の自由を制限するわけでもありません。
ただ、今のコロナ禍では行き来が難しいのでより重宝されるはずです。
次に、これもコスト上見落としがちですが、実はCF上大きな支出になる事務所賃貸についてです。
タイをはじめ、ASEAN各国で日本同様に定着しているコワーキングスペースなどを活用することが可能です。
レンタルオフィスや通常のオフィスを契約すると、内装資材の調達先の関係で、こだわった場合は日本と同等以上に内装費がかかったりすることもあります。
また、保証金も6ヵ月くらい通常求められますので、事業計画上PLしかみていないと見落としがちですが、CF上大きな支出となってくるので注意が必要です。
続いて人件費です。
ここで言うところの人件費は、まずはローカルスタッフの人件費という前提になります。
タイにおけるローカルスタッフの人員については、前回第2回の「進出時2」のトピックで取り上げたとおりで、通常4名の雇用維持が必要となります。
上図に出てくるGoGlobal社のGEOサービスというのは他社サービスになりますが、当社が提携しているサービスで了解の元こちらに掲載させていただきました。
このサービスを活用することによって、多少の管理費がかかっても余計な人数の確保による固定コストを削減でき、必要最小限のローカルスタッフとして1名または2名程度の雇用と同じ効果での現地オペレーション対応が可能です。
さて、今回の最後を飾るのは下記、当社グループのメインサービスである、会計周りの業務となります。
上図からも明らかなとおり、結論としては内製しても外注しても、目に見えるコストはほぼ同じです。 とはいえ、目に見えない管理コストはここには入ってません。
現地での報告を受けたり、指示を出したり、何かあったときの調整など、海外現地では日本の常識と違うことが多々あります。
また、内製した際に一番リスクが高いのは、ローカルスタッフの転職などにより、業務がブラックボックス化することです。
日本のように引き継ぎ文化もほぼないので、前任担当者の業務は何も引き継がれず、後任担当者がゼロから始めるのが一般的と考えてもらうほうが良いくらいです。
こういった業務内容や重要情報の連続性の観点からも、宣伝ではないですが、全体で20名以下のオペレーションの規模であれば、強くアウトソーシングをお勧めします。
当社では日本人がRM(リレーションシップマネージャー)として完全にクライアントの窓口で専属していますので、ローカル言語を介さず様々な現地状況の確認や把握も可能です。
今回は全て運用時のフェーズでのご案内でした。
それほど運営時のおいて上記に記載したとおり、様々なことがあります。
次回最終回は、運営時の残りのメインである大本丸の駐在員コストの比較と、進出時には通常考慮しないことも多い撤退時、そしてまとめをお送りしますので、引き続きご覧ください。
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