今年で4回目となる東京精密のタイ法人Accretech (Thailand)とTOSEI (Thailand)の共同プライベートショーが、10月上旬に行われた。今回はTOSEIが20周年を迎える節目の年でもあり、より一層、測定自動化ソリューション展示やセミナーが充実し、過去最大の参加者数を記録した。
本稿では、今回のプライベートショーで披露された、測定の自動化ソリューションの具体的な例をご紹介する。
FANUCロボドリル(加工)×ロボット(内径測定)×ACCRETECHサーフコムNEX200(表面粗さ・輪郭形状測定)
加工機からロボットがワークを取り出して内径を測り、その後ワークを測定機に渡して粗さと形状を一度に測るという一連の流れを、人の介入無しに自動化した例だ。ワークを所定の位置に置くだけで各項目自動で測定しOK/NG判定できる為、人件費の大幅な削減に繋げることが出来るソリューション。
ロボットがゲージを持ち替えながら、様々な方向から径測定を自動で行うソリューション。従来は専用の機械を入れ、人が手動で径を測っていたところから、ロボットにティーチングすることで大きく時間と手間の削減している。
また、東京精密や各協賛メーカーからも、測定の自動化・コスト削減に繋がる製品・ソリューションが各種紹介された。
■ロンコムネックスRS
真円度測定と表面粗さ測定を同時にできる一台。
従来、真円度測定後にワークを別の測定機へ移動させて粗さを測定するのが一般的だったため、機械間移動を無くし自動化することで時間と手間を削減できる。更にXYテーブルを追加することで複数ワークの同時測定も可能になり、リードタイム削減/省人化に寄与できます。
■サーフコムネックス200 DX2
表面粗さ測定と輪郭形状測定を一台で統合測定できる東京精密独自の低振動「リニア駆動」モデルの測定機。ワークの姿勢変更をすることなく、複数の測定箇所を一度測定することが可能。従来粗さ・形状を別の機械で測定する必要が有りましたが、一台で完結する為、大幅な工数削減が可能。
■岡本工作機械 全自動平面研削システム
ワークをチャックに設置し総取り代を入力するだけで、平面研削を全自動で行い、段取り時間や研削条件等の入力工程を短縮&効率化。自動測定に対応しており、研削~測定まで生産性を向上。
■シギヤ精機製作所 CNC円筒研削盤×インプロセス・ポストプロセス判定機
円筒研削盤に、Accretechの専用センサPULCOM W10を設置し、インプロセス・ポストプロセスでの判定・制御が可能にした。
■村田機械(ムラテック) 平行2軸型CNC旋盤×インプロセス・ポストプロセス判定機 System
2スピンドル2タレット、ビルトインローダーを備え、自動化機能が充実したCNC旋盤に、Accretechの専用センサPULCOM W10を組み込み、人の介入なしで判定・測定を実現。
■三菱電機FA 工場自動化・一元管理SCADAシステム
「GENESIS64」という SCADAシステムにより、FAとITのデータを一元管理する見える化。様々なデータを監視・分析し工場の自動化を実現するソフトウェア。
■SMC NECTEC NSTDA IoTシステム
製造業における研修アセスメントや政府支援事業に関する情報を提供。IoT関連システムやイノベーションセンターの概要を紹介した。
過去最大の参加者を記録した今回のプライベートショー。セミナートピックも多岐に渡り、連日来場する参加者も見受けられた。
「タイにおいても測定の自動化への関心は徐々に高まっていると感じる。一方で、企業課題として自動化への取り組みを課題視しながらも、実際にどうすればいいのか、具体化できていないという声も多く聞いています」と語るセールスマネージャー・浅野氏。
セールスエンジニア・人見氏は「測定機器そのものだけでなく、どのようにラインに組み込んで使うかソリューション提案するのが東京精密の強み。プライベートショーも、自動化や経費削減につながる具体的な方法を提案し、来場者にヒントを持って帰ってもらう機会として今後も充実させていく」と語ってくれた。