東京精密のタイ法人Accretech (Thailand)が、2025年2月にバンコクで初開催されたユアサグランドフェアにブース出展した。
本社同士の古くからのつながりが出展のきっかけではあるが、ユアサ商事タイ法人との新たな顧客開拓に更なる期待を込めて数年ぶりに単独ブースを作りこんでの展示会出展を試みたという。
「Accretech」「ZEISS」「TOSEI」の3ブランドの製品を計12点展示しており、本稿では、その中から、おすすめの3製品について紹介していく。
【主な展示製品】
Accretech | 三次元座標測定機 XYZAX AXCEL PH 9/6/6 |
粗さ輪郭統合測定機 SURFCOM NEX 200 DX2 + CNCYテーブル | |
卓上型粗さ測定機 SURFCOM TOUCH 50 | |
ポータブル粗さ測定機 HANDY SURF+ | |
非接触粗さ微細形状測定機 OPT-SCOPE R | |
真円度測定機 RONDCOM NEX Rs DX2 | |
ZEISS | マルチセンサ三次元座標測定機 Zeiss O-INSPECT 543 |
TOSEI | |
SBS 研削盤自動バランサーシステム&AEセンサーシステム | |
研削盤 コントロールゲージシステム | |
ATC Runout Detection System RD10 Aluminum High-Speed Cutting Process Monitoring Device | |
エアマイクロメーター | |
電気マイクロメーター&データマネジメントソリューション |
東京精密は、三次元表面粗さ・形状測定機を接触式、非接触式どちらもラインアップとして揃えている希少なメーカーだ。タイのモノづくり市場では、従来式の接触式がメジャーだが、高精度な表面加工などを行う現場では、より高機能な非接触式が導入されている。
測定したい部品の表面粗さレベル、立体的な測定データの有無、部品サイズや形状などを考慮して接触式か非接触式か、測定条件にあわせて最適な機械を提案している。
<主な特長>
・レンズ倍率に関わらず一律0.01nmの高分解能で広範囲を1ショットで高速測定可能
・独自の白色干渉縞ピーク検出アルゴリズム(DEAP)により、従来測定しずらかった機械加工部品の傾斜面などもより鮮明な形状データを取得
タイでの活用例:歯車(ギア)計測、ベアリング製造、半導体基板部品 など
接触式測定技術と光学式測定技術を1台に集約したオールインワンマルチセンサ測定機。三次元測定機・投影機・光学顕微鏡・画像測定機・輪郭形状測定機の機能を搭載し、測定する部品や条件によって接触式/非接触式センサ(カメラ及びレーザー)を自動で使い分けることもできる。
東京精密はZEISSの日本国内での総代理店であり、タイ法人においても業務提携しタイ国内向けに積極的な販売活動を行っている。ZEISS製品に関する知識や取り扱い経験が豊富なスタッフがそろっているためタイでのサポートも安心して任せられるのが強みの1つだ。特に日系企業へは日本人のエンジニアによるユーザーサポートが可能。
<主な特長>
・カールツァイスと東京精密製双方の三次元測定機に搭載している「CALYPSO」ソフトウェア1つですべての測定の操作ができ、使いやすい
・カールツァイスの高性能レンズにより、他の難しいエッジ等も高精度に測定可能
・全倍率で共通の長作動距離(レンズとワークとの距離が87㎜)。レンズをワークにぶつける事故リスクが低減
・エアーを使用しないので設置場所を選ばない
ACCRETECH SBS DYNAMIC BALANCE SYSTEMは、研削盤に要求される加工精度の安定化やサイクルタイムの短縮など多様なニーズに応えるシステムだ。
高速回転砥石でワークを高精度に研削仕上げするためには、砥石の大きさ・形状・粒度・グレードだけでなく、研削中の砥石とワークとの接触を正確に検出し砥石の状態を管理することが重要である。
SBSは、「研削工程の効率向上」「表面品質・寸法管理の改善」「研削ホイールおよび研削機械の寿命延長」に貢献する。
中でもSBSオートバランスシステムは、新しい砥石の交換時間を短縮し、砥石バランスを0.02ミクロン単位まで調整することができる。一般的に、砥石調整に必要とされる特別なスキルは不要で、簡単に使用できるのが特長だ。
<主な特長>
・振動センサー
研削砥石のシャフトカバーに取り付けて振動力を測定する。
・オペレーションコントローラー
コントローラは振動力から不均衡を検出し、バランスヘッド内の重りの位置を変更して不均衡を解消する。
・バランスヘッド
バランスヘッドを石のフランジまたはプーリーに取り付け、ヘッド内の重りを動かしてバランスを整える。(振動低減)