機械・工具商社、部品加工企業、精密測定機器メーカ―・・・製造業が盛んなタイには、こういった企業は数多く存在する。その中で、1つの縁がきっかけとなって結び付いた3社がある。
アルファツールアジアの渡邊守氏(マネージングダイレクター)、協和NTタイランドの両角正秋氏(プレジデント)、そしてアクレーテク(東京精密)タイランドの萩原基氏(マネージングダイレクター)と武田陽太郎氏(セールスマネージャー)の4名に、お話を伺った。
この3社を引き合わせたキーパーソンは渡邊氏。
タイで信頼を集める機械・工具・専用機器の総合商社アルファツールアジアの社長だ。元来は測定器業界一筋に歩んできたその道のエキスパートである。
日本・タイにかかわらず業界に精通し、測定器に関する相談もよく受けるという。そんな彼が、日本で測定機器専門商社の営業マンとして働いていた頃に出会ったのが東京精密である。今から30年ほど前のことだ。
渡邊:私は当時から徹底して「東京精密の測定器推し」なんです。いちばんの理由は、製品販売後のフォローやサポート体制がしっかりしている点。「メーカーとしての責任」意識をしっかり持っているところに、とても信頼を置いています。
萩原:当社のサービス部門には、多くのスタッフを配置しています。スタッフが自社製品をしっかり把握し、お客様に全方位サービスを提供できる体制が整っています。渡邊さんには以前からそこをご理解いただき、当社を信頼し続けていただいていることを大変嬉しく思います。
武田:タイの製造業が成熟期に入っていく中で、販売後のサービスやフォローを今まで以上に強化しお客様から信頼を得ることが、シェアアップのカギだと考えています。今後もサービス向上に、一層励んでいくつもりです。
渡邊:任期の問題もあり、東京精密の日本人担当者は幾度となく入れ替わります。それでも、サービスに対する姿勢は昔も今もまったく変わっていません。だからこそ、自信を持って東京精密の測定器を推せるのです。
精密部品加工を手掛ける協和NTタイランドの両角氏が渡邊氏と出会ったのは、両角氏がタイ法人を任された2011年。その年はタイに大洪水が起こり、両角氏も被害に遭った自社工場の復旧に駆け回る毎日だったという。
両角:復旧にあたり、被害に遭った機械設備を入れ替える必要がありました。従来の品質を維持するため、今までと同じ機械を導入するのが一般的です。でも私は、お客様さえいいと思えば、メーカーを変更してもよかったんです(笑)。そんな折、普段から信頼する渡邊さんが紹介してくれたのが、東京精密の測定機でした。お客様の了承も取れて、それを機に全ての測定機を入れ替えました。
同社製品は性能も優れていますが、とにかくサポート面が充実しています。タイ人スタッフにもきちんと指導してくれますし、何かあればすぐ対処してもらえます。
その後、順調に業績を伸ばし続ける協和NTタイランド。取り扱い製品の増加に伴い、三次元測定機を含め導入機の数も増えているという。
東京精密のサービスに対する真摯な姿勢により、アルファツールアジア渡邊氏を中心としてできあがった「信頼の三角形」。今後も、この3社間の結束は、さらに強くなっていくだろう。
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