ゲージ検査と測定による検査の違い/測定機器の基礎知識【ISSOKU・アルファツール】
29/10/2024
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坂田 剛ISSOKU (THAILAND) CO., LTD. / Managing Director

「ISSOKU (THAILAND) CO., LTD.(以下、ISSOKU)」は(株)第一測範製作所のタイ現地法人です。ゲージ、計測機器、マイクロメータ、ボールねじなどメーカーとして、測定・検査の分野において精度の高いモノづくりをお手伝いをしています。

今回は、精密機器の専門メーカーとしてゲージ検査と測定における検査の違いやそれぞれのメリットをご紹介します。


ゲージ検査とは?

「ゲージ検査」とは、プレーンプラグゲージやねじゲージ(限界ゲージ)を使って「通る」か「止まる」かを判定の基準とする検査方式です。限界方式ともいい、幅ゲージ、高さゲージなども限界方式で検査が可能です。
この方法では、熟練度に関わらず誰でも簡単に短時間で正確な合否判定が可能です。
ねじゲージは、有効径だけでなくピッチ・山の角度・山の径・谷の径など、1本のねじが持つたくさんの検査要素を確認できるねじ用のゲージです。

▲平行ねじ用限界ゲージ(平行ねじの合否判定を行う一般的な方式)


検査対象の製品の公差に基づいて、ゲージの「通り/止まり」の寸法を製作します。ゲージ自体にも公差があり、一般的にはJIS規格によって定められています。


測定における検査とは?

精密測定では、三次元測定機、マイクロメータ、ボアゲージといった測定機器が、測定結果を数値化します。その数値を基準に合否判定を行なうのが「測定における検査」です。

寸法測定の種類
①直接測定(絶対測定)
長さの実寸値を示す測定機器を使用する方法。
作業者の熟練度によって測定結果にばらつきが出てしまうケースがある。

②比較測定
マスターゲージを寸法の基準として、その長さと比較して測定する方法。
作業者の熟練度に関係なく、精度良く測定できる。


▲超硬マスターゲージ(比較測定器の内径基準、外径基準として使用する)

測定結果を数値化するメリットは、データをもとに切削工具の摩耗状態のモニタリングや、PLCと連動した測定の自動化が可能になることです。
しかし、正しく測定できていなければデータは無意味なものとなってしまいます。


空気・電気マイクロメータとは?

ISSOKUの空気・電気マイクロメータでは、②比較測定を行ないます。


▲空気・電気マイクロメータ デジアナ表示ユニットSmp

高精度な寸法測定をするためのマスターゲージを±0.5μm~±1.0μmの公差内で製作しています。
これにより、公差の厳しい測定を誰でも簡単に、何度繰り返しても正しく行なうことができます。

タッチパネル式の表示器で、簡単な操作性にもこだわっています。
ヒューマンエラー防止のため、作業者が数値で合否判定をするのではなく、OKならばグリーン・NGならばレッドと、表示器がわかりやすく色で判定結果を知らせます。
また、USBケーブルでPCに接続すれば検査データをエクセルに記録・保存することができます。
プローブ(測定子)を2本接続することができ、別々のプルーブを繋ぐと2種類の測定が1台でできます。
製品詳細・カタログはこちら


目的に応じたゲージ・測定機器を選びましょう

ゲージや測定機器は、製品の品質や安全性を保証するために重要なものです。
目的に応じて正しく使い分けることで、精確な検査結果を得るとともに、品質確保に費やす時間や労力を抑えることができます。

※使う製品に関わらず、測定・検査をする際には以下のことに留意しましょう。
・長さ測定には必ず測定誤差が生じる
・公差0.000でのゲージ製作は不可能なため、公差を設けてある
・温度によって製品・ゲージ等は伸縮する
・ゲージは経年変化のため伸縮する
・定期的に校正されたゲージ・マスターゲージを使用する
・トレーサビリティが証明できるゲージを使用する



■測定や検査で課題をお持ちの方、ISSOKUの電気・空気マイクロメータに興味をお持ちの方は、下記フォームよりお問い合わせください。

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