「それぞれの良い部分を掛け合わせてより良いソリューションをつくればいい」
メーカーの垣根を越えた新たな取組みが、目下タイを起点に始動している。
発起人となったのはタイで測定器や工具、周辺機器の製作・販売などを手掛ける商社、アルファツール・アジアの渡邊社長。同社で取り扱っているISSOKU(第一測範製作所)に加えて、イギリスの測定器メーカー ソーラトロンメトロロジー(Solartron Metrology)製品の取り扱いを開始する。2つのメーカーのコラボレーションによってどのようなメリットがもたらされるのか?3社に話を伺った。
ISSOKU (THAILAND) CO., LTD.は(株)第一測範製作所のタイ現地法人として、ゲージ・計測機器・マイクロメータ・ボールねじなどを提供している。空気マイクロ・電気マイクロどちらも取り扱っているものの、空気マイクロのイメージが先行し、電気マイクロの存在感が薄れがちだったという。そんな状況を打破すべく、ISSOKUが持ち合わせていない、豊富なラインアップの検出器を揃えるソーラトロンメトロロジーに白羽の矢が立った。
ソーラトロンメトロロジーはイギリスで創業した電気マイクロ関連製品を主体とした測定器メーカーである。全ての製品を本社イギリスの自社工場で製造しており、1番の強みはその豊富なラインアップと幅広いカスタマイズ性・汎用性の高さにある。
今回渡邊社長が注目したのは、ソーラトロンメトロロジーの電気マイクロメータ用検出器。
最短0.5mm~最長30.0mmまでの幅広い種類を揃え、そのラインアップの豊富さは、日系メーカーはもとより世界的にも最大規模と言われている。
欧州メーカーでは一般的な測定でよく使用される電気マイクロメータ。日系企業にも、もっとその活用認知を広げるべく、今回コラボソリューションの一例として、ISSOKU製デジタル表示器『Smp(エス・エム・ピー)』 とソーラトロンメトロロジー製 検出器を組み合わせた計測装置を展開した。「Smp=エアマイクロ向け」のイメージを持つ方が多いが、電気マイクロメータ向けにも活用が可能なのである。
Smp電気マイクロメータ 活用メリット
今回の取組みでお互いの長所を伸ばし短所を補い合うことが叶ったことで、提案の幅が広がったと話すISSOKU坂田氏とソーラトロンメトロロジー田中氏。
電気マイクロの可能性を広げたい。
その汎用性の高さを知ってもらいたい。
何よりもお客さんの選択範囲を広げ、より良いソリューションを提供したい…!
そんな渡邊社長の想いから実現した今回のメーカーコラボ。今後の動向からも目が離せない。