アジアメンテナンス(以下AMA)は、生産関連設備のメンテナンス、修理、改造、オーバーホール、各種治具、専用機、ロボットシステムの製作などをタイで手掛けている。その卓越したサービスは、職人たちの経験やノウハウに加えて、工場への“強いこだわり”から生み出されていた。
同社は、社内部門を『修理・改造』『非加工機』『治具』の3つに分けている。
中心となる修理・改造部門では、マシニングセンタ、専用加工機、旋盤、研削盤など、多様な産業機械の修理・改造・オーバーホールを行なっている。また、レトロフィットにも対応する。
高精度マシンの修理・改造をお客様に提供できる理由のひとつは、日本水準の技術を持つ職人たちの経験とノウハウ。そして、それを支える自社工場の存在だ。
「当社は、”タイでNo.1の技術力”を目指しているが、それと同じくらい工場にも重点を置いている」と語るのは、AMAの社長。
2019年に完成した、明るく、すっきりした印象の工場には、“お客様に最高の製品を提供するためのこだわり”が随所にある。
エポキシ樹脂塗装は耐久性や防食性や耐薬性、防水性に優れ、コンクリートにはないクッション性を持っている。
光を反射することで、常に5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を意識した、清潔でクリーンな工場を見せる効果がある。
QCルームや精密組立室では、室温を徹底管理する精密空調機(PAP)を設置し、±1℃の状態をキープしている。
さらにこれらの効果を高めるため、日本の施工方法を採用した断熱材入り2重構造の壁を使用。また工場外壁から離した建屋にすることで、外気温に影響されることのない温度管理を実現している。
工場内には、最大許容荷重3トンの門型クレーンを設置。
一般的な天井吊りクレーンではなく門型クレーンにする事により、効率的で最適な活用が可能。
以上は一例だが、このレベルの工場は日本でも類を見ないそうだ。
社長のこだわりは、工場設備だけにとどまらない。お客様に少しでも喜んでもらえるために、同社ならではの付加価値の高いサービスを提供している。
作業後は、ビフォー・アフターのデータなどを記載した報告書を提出している。
軸頭・スピンドルなどの修理後は、自社保有の試運転装置にて熱変位・温度変化・振動などの試運転をお客様の使用状況に合わせて実施し、データ付き報告書を提出。
このこだわりにより、納品後は、お客様サイドが安心して使用できる機械状態になっている。
アジアメンテナンスのこだわりについて、同社社長は理由を説明する。
「まず、きれいな環境でスタッフに気持ちよく作業して欲しい。『メンテナンスという仕事は、実はかっこいい仕事なんだ』と次世代のエンジニアに思ってもらえるような発信を、この工場からしたい」
さらに将来的な希望として、「当社の技術を見て、お客様のメリットになるような事は、社内取り組みで使用していただいても構わない」と言葉を続けた。
「お客様と私たちが同じレベルに立ち、共に力を合わせてメンテナンスに取り組む」
それがAMS社長の考えるお客様と同社との理想の関係だからだ。
アジアメンテナンスはこの工場から、タイでの“理想的なメンテナンスの在り方”の実現を目指す。
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