アジアメンテナンス(AMA)は、「高精度の治工具部品」を扱う株式会社YMD(本社・愛知県名古屋市)の重要なパートナーとして、タイで治工具部品を中心とした同社のさまざまな製品のメンテナンスを行っています。
YMDの北村代表取締役に、事業内容やタイにおける取り組みについて話をお聞きしました。
当社は大手自動車部品メーカーに向けに、量産品を作るための専用機の構成部品を供給しています。お客様から寄せられる注文の品質要求水準は非常に高く、しかも殆どがオーダーメイドでの対応です。試作をすることなく、図面を見てほぼ一発勝負で部品を仕上げ、かつ要求通りの品質で供給しなければなりません。
特殊なオーダーが非常に多いのですが、そうしたご要望を形にすることこそが私たちの仕事です。求められる水準をクリアするため、検査にもかなりの人数を割き、強力な検査体制を整えています。
そこでAMAの検査体制について、日本製の治具については、我々YMDにて検査・保証しておりますが、タイ現地調達品はAMAにて検査シートの確認が出来る様な検査室を提案し、立上げ時には我々の持っているノウハウを伝承させて頂きました。
オーダーメイド品のため、他社との比較は難しいのですが、確実な品質と同時に納期やコストについても高く評価されていると自負しています。
オーダーメイド、部品調達量では東海地区ではトップレベルで毎月数億円規模の部品を供給しています。
品質やスピードを伴いながらこれだけの量に対応出来ているのは当社の強みといえるかもしれません。
また、メーカーであると同時に幅広い商品を調達する商社機能も備えています。私たちが追求しているのは「最適調達」。グループ会社が持っている工場や幅広いネットワークを活かして、お客様に最も適切と思われる商品を調達しています。「最適調達」を実現するために営業部門の教育についてもモノづくりを中心に行っています。
AMAとは、タイ現地では製作や調達が難しい高精度、高難度部品をメインに協業をしています。現地での調達品ではタイに進出している大手自動車部品メーカーの高品質な要求水準を満たすことができないものがまだ多いのです。
品質・スピード・コストの3つの要素を重視した上で製品を供給しているだけではなく、改善提案にも力を入れています。お客様の作業現場で治具を使用する際の段取りやセッティング方法などを改善するだけで、製品の寿命が長くなったり、管理がスムーズになることも多いからです。
日本とタイの作業者のスキルは同じではありません。改善提案は、スキルの違いから起きがちな問題やトラブルを回避するための方法でもあり、エンドユーザーのお客様から重宝されていますので、これからも力を注いでいきたいと考えています。
当社のような企業規模では、海外への単独進出は容易ではありません。これまでも部品レベルでは海外取引を行ってはいましたが、部品とメンテナンスには相互関係があります。部品をただ納めればいいというものではありません。
その点、技術者を豊富に抱え、日本の技術に寄り添っているAMAとの協業は当社としても非常に助かっています。AMAのエンジニアがYMDに技術研修に来られることも多く、オーダーメイド品一つひとつへの理解度が高く技術の相互交流によって高度なメンテナンス対応が出来ていると思います。
タイの加工のスキルが上がってきているため、現地で調達できるものはできるだけ現地で揃えるという動きが高まっており弊社も支援しておりますが、現段階では現調品だけではすべてをまかないきれません。教育や検査体制の問題もあるため、日系の治具メーカーへの信頼度は依然として高く、「難しい部品はメイドインジャパンで」という要望は確実にあります。
これからもお互いの強みをうまく活用し、AMAの良きビジネスパートナーとして、お客さの要求に対し日本とほぼ同等の対応が出来るようにしていきたいと考えています。
株式会社YMD
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谷藤 Tanifuji
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