CAM-TOOL×レニショーの機上計測ソリューション
タイおよびASEAN地域でも近年、モノづくりにおける品質管理や安全性に対する要求は高まり、厳しさを増している。とりわけ、高品質な金型の製造では正確な測定は必須である。
しかしながら、ワークが大きければ大きいほど、段取り替えによって時間と手間がかかり、納期に影響が出てしまうこともしばしば。短時間で高精度寸法測定を行うことがバランスのとれたQCDを実現させる近道と言える。
それらを解決するソリューションが「機上計測技術」である。
今回は、2022年7月にリリースされた、CGS製『CAM-TOOL』の機上計測オプション×レニショー製3Dプローブ「RMP600」の機上計測ソリューションをご紹介していく。
簡単操作で機上計測作業の標準化を叶える
機上計測オプションには以下のような特長とメリットがある。
1番のポイントは、職人の経験や感覚に頼ってきた機上計測作業を標準化できる点だ。
1)簡単な操作性
ユーザーを選ばず、複雑な曲面の多い金型形状でもマウスクリックのみで測定点の設定が可能。
2)安全で効率的なデータ作成
CAM-TOOLは、ワークやツーリングの形状を認識できるため、干渉チェックを行いながら安全で最短距離のNCデータを作成。現場でオペレーターがマニュアル操作で計測データを作成しているのであれば、システム決定に置き換えることで安全を確保しつつ作業時間の削減も狙える。
3)測定結果をシステマチックに判断
測定情報からEXCELマクロで帳票(検査表)作成し、CSVデータ作成により外部システムとのリンクが行えるためペーパーレス化を実現。
形状データと測定結果を一緒に表示して判定を色で表現。良い箇所、悪い箇所を一目で把握し、追加工データの作成までワンストップで可能。
レニショーの高精度3Dタッチプローブ『RMP600』
今回のソリューションでCGSとタッグを組んでいるレニショー(RENISHAW)の高精度3Dタッチプローブ『RMP600』は、金型加工に最適なプローブとして選定されている。 それらの理由として以下3つが挙げられる。
■唯一無二の3D精度と繰返し精度
プローブには接触してから位置信号を得るまでに移動する押込み量(長さ)に、接触方向によるバラツキあり、これが大きな誤差要因となります。独自のRENGAGETM技術を用いることで、これらのバラツキが2次元・3次元ともに無く、誤差を最小限に抑え高精度に計測することが可能。
■作業時間短縮によるコスト削減
バラツキを最小限におさえられることで、プローブのキャリブレーション(校正)が非常に簡素化でき、大幅な作業時間の短縮が図れることでコスト削減並びに生産性向上に寄与する。
一般的にプローブのキャリブレーションには約100点以上の計測が必要と言われているが、『RMP600』であれば、一般的にユーザーで所有するリングケージで±X・±Y・−Zのたった5点で完了できる。
■ CAM-TOOLの法線方向自動計算機能と融合
自由曲面の計測は、測定対象位置に法線方向でアプローチしなければ高精度計測は難しい。CAM- TOOLが持つ機能によって、法線方向が自動計算され、計測サイクルが生成されることで時短でありながらも高精度な計測が実現できる。
後付けでも導入しやすいCAM-TOOLオプション機能
このように、機上計測は金型品質改善のみならず、生産効率も向上できる導入メリットの多いソリューションである。特に、すでにCAM-TOOLを採用している現場であれば、後付け可能なオプションとして導入がしやすいのでコストメリットも大きいだろう。
✔ 計測作業を標準化したい
✔ デジタル(数値)での品質管理を徹底したい
✔ 切削加工の不良率と手戻りを削減したい
このようなお悩みや課題をお持ちのお客様は、ぜひ一度ご相談してみてはいかがだろうか。
Renishaw plc