T.KRUNGTHAI INDUSTRIES PUBLIC CO., LTD.(以下、TKIP)は、自動車産業及び電化製品向けプラスチックを製造するタイの大手メーカーだ。1973年以来、約50年ものあいだタイ国内外の大手メーカーの信頼を得ている。タイに以下3つの製造工場をもつ。
・チャチュンサオ工場:自動車向けプラスチック部品及びプラスチック部品成形用の金型を生産しており、年間最大100個の金型の生産能力がある
・サムットプラカーン工場:主に自動車向けプラスチック部品を生産
・プラチンブリ工場:自動車及び電化製品向けプラスチック部品を生産
今回は、TKIPのMDゴウェ氏と金型製造マネージャーのギラユット氏から、同社チャチュンサオ工場での金型製造におけるCAM-TOOL導入プロジェクトについて話を伺った。
TKIPには、品質にこだわった金型製造とコスト削減という製造方針がある。
1. 高品質な金型を生産するための技術と人材の育成
2. 故障がない高品質な機械設備により、ロスタイムを削減
3. 金型製造システムに適したソフトウェアの採用
これらを遵守しながら生産効率をあげるべく、金型製造において抱えていた以下のような課題解決のためにCGSのCAM-TOOLが導入された。
・部品表面が不均一でカッターマークがある
・部品の研磨に時間がかかり、繰り返し研磨が必要
・エンドミル工程における金型ツールが割れやすく、劣化しやすい
CGSは、同社との共同エンジニアチームを発足し、以下のような解決策を提案した。
課題1 部品表面が不均一、カッターマークがある
⇒「エーミングチェック」機能 により解決
金型形状の壁に沿って処理を行うことで、モデルの形状に従い曲面CLを生成することができる機能。最大0.1ミクロンまでの精度の微調整が可能。
課題2 部品の研磨に時間がかかり、繰り返し研磨が必要
⇒「 サーフェス演算」機能により解決
この機能には、粗い部品のフライス加工に最適な高速のフライス加工向けポリゴンモード、ユーザーが希望の通りに精度のレベルを微調整できるフライス加工用のサーフェスモードがある。部品表面が滑らかに仕上がるため、研磨を繰り返す必要がない。研磨時間を最大20%短縮することができる。
課題3 エンドミル工程で金型ツールが割れやすく劣化しやすい
⇒「工具データベース」を用いて、チップ交換式工具のデータを生成し解決
CAM-TOOL には「工具データベース」という、CAM-TOOL内で追加描画できる様々なブランドの切削工具やホルダーの情報やカタログが搭載されている。切削工具のサイズや部品切断工程などの情報を入力不要で、データベース上の情報をそのまま活用できることにより、ヒューマンエラー削減が期待できる。
「当社では、高品質・低コストな金型の開発、製造に取り組んでいます。
CAM-TOOLの導入により、作業精度は向上し、生産工程の短縮や目視検査では発見することができないエラーを正確に検出できるようになりました。当社の金型製造の品質向上と低コスト化にご協力頂いたCGS Asiaに心より感謝しています」(TKIP ゴウェMD)
「当社の金型製造は、研磨時間が長い、表面が不均一であるなどといった問題から塗装コストや長時間作業などの課題がありました。
今回のCGS Asiaとの取り組みによって、CAM-TOOLの利便性の高さを認知し、現場の作業速度がかなり向上しました。例えば、部品表面において、サーフェスモードを活用することで、製品の切断を繰り返す必要がなくなり、一工程で作業が完了できるようになっています。
CGS Asiaには、日頃から協力的にサポートいただいており、当社現場スタッフへの丁寧な研修にも満足しています。万が一のトラブル発生時にも迅速に対応していただいており、安心できるパートナーです」
(TKIP金型製造マネージャーギラユット氏)
協力:T.KRUNGTHAI INDUSTRIES PUBLIC COMPANY LIMITED
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Tel: +66(0)2-661-9620
柏口 Kashiguchi
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