年々効率的かつ業務改善を図る需要がますます高まっている。金型設計製造においても例外ではない。CGS金型設計製造用CAD/CAMシステム『EXCESS-HYBRID II』は2020年より3DCAM機能が搭載され、2次元・3次元のハイブリッド設計支援に加え、3次元加工の支援も可能となった。"ALL IN ONE SYSTEM"をコンセプトに、市場の需要に応えるべく、本製品の機能が拡張されている。
『EXCESS-HYBRID II』3DCAM機能 開発背景
同機能開発のきっかけは、2次元・3次元を問わず、金型設計から製造までを1つのプログラムで一貫して行えるようにしたいという想いからだ。
▲ 「ALL IN ONE」をコンセプトとしてEXCESS-HYBRID IIプログラムの構造
これまでEXCESS-HYBRID IIは2.5Dタイプの機能のCAMに対応してきた。昨今の金型形状の複雑化により、3DタイプのCAMの需要が増えていることから、別プログラムの併用や3DCAMを扱う外部業者への委託などの手間や追加コストが発生していた。そのようなやり方ではコストや作業時間が増え、業務管理もしづらい。そこで、CGSでは一つのプログラム上での3D CAMが使える重要性を鑑み、今回の3D CAM機能を開発するに至った。
CAM工程の高精度と時短を同時に叶える“3D CAM”の機能
今年度の新バージョン(Ver8.1)より、3DCAMには精度や作業効率を向上させる以下の新たな機能が追加となった。
1. 高精度モード
小径工具を使用し微細な形状の加工を行うのに適した”高精度モード”が追加された。本モードを有効にすることでスケール演算が実行され、高品質のワーク表面が実現できる。パス精度は最大0.1ミクロンまで細かく値が指定できるため、加工後のワーク表面がなめらかで美しくなり、研磨にかかる時間も節約できる。
▲ 高精度モードの使用例
2.ストック比較
製品モデルとの差分を指定色で表示する”ストック比較”の機能が追加された。本機能により演算結果のモデルと製品モデルの比較ができる。指定した範囲値を7色の色でコンターまたは範囲表示され、どれだけ切残し量が残っているか、また削り込みがあるかの確認が可能。これにより、確認作業の短縮にも繋がる。
▲ ストック比較機能の使用例
3. 工具カタログ
日本国内での主要工具メーカーのカタログ情報を搭載。ミーリング工具のサイズやメーカ推奨の切削条件などを参照でき、その情報から加工工程を作成できる。
▲工具カタログ機能サンプル
“3D CAM”機能の強みと活用メリット
CGSではCAM-TOOLソフトウェアのサービスも提供している。金型製造向けのCAD/CAMソフトウェアとなっているため、表面の細密度の高いフライス加工に適している。開発チームでは、優れたCAM-TOOLソフトウェアの機能を一部活用してEXCESS-HYBRID IIの3DCAMの機能を実現している。
3D CAM機能 活用メリット
✔ 内製化により、外注加工にかかる費用を節約。
✔ 一貫システムによる業務効率を改善。
✔ 今後の機能にも期待ができる。CGSはソフトウェア開発業者であるため、ユーザーからの要望を直接開発に届けることができる。そのため、使い勝手が良いシステムが生まれやすく、改善スピードも速い。
「3D CAM機能は2020年4月からリリースしていますが、使用されたお客様から時間削減・費用節約・品質管理の有効性を認められ、業務の効率化を図ることができていると好評です。また、お客様の現場スタッフ向けレクチャーをはじめとするアフターサービスも各現場の習熟度にあわせて定期的に行っています。現在は、日系プレス金型製造関連のお客様が多いですが、将来的にはタイローカル企業向けにも拡大していけるよう、PRを強化していきます」