CAD/CAMメーカーのCGSアジアは、日本を代表する工作機械メーカー ソディック(タイランド)と共同でセミナーを開催した。
テーマは【職人-SHOKUNIN-】。
CGSの「CAM-TOOL」とソディックのマシニングセンタ搭載の最新制御ソフトウェアを組み合わせ、“誰でも簡単に職人レベルの高精度加工”を行えるソリューションや便利機能を紹介した。
本稿では、セミナーのポイントと各メーカーのおすすめソリューションについて説明していく。
■ CL編集
CAM-TOOLの中でも定評のある作業時間短縮に貢献する便利機能。選択したパスの削除・コピー編集、 アプローチの付替や加工方向の変更などが可能。幾何形状のような同形状の集合体の場合、一形状のCLを複製していくことで演算時間を短縮でき、データ作成の時短になる。
・削除
・コピー/移動
・マージ
・リバース
・アプローチ付け替え・位置変更
・F値変更 など
■ カッターパスの最適化(オートクリアランス)
CAM-TOOLがワーク形状を認識しショートカットできる場合は、設定した逃げ高さまでリトラクトせずに一定の安全距離を担保しながら次の加工位置まで移動する最適な移動パスを生成する。
■ 前工程ストック
前工程のワーク形状を自動認識し、自工程のパスがワークソリッドを削らなかった場合はカッターパスを生成しない機能。実際に加工が必要な箇所のパスだけ出力し、自動でパスの最適化ができる。エアカット削除し、時短に貢献する。
■ 工具カタログ「Tooling DB」
日系主要メーカーのツール(工具やホルダなど)情報を連携できる「ツーリングデータベース」。 工具知識が乏しいオペレーターでもカタログデータから加工条件を取り込み、必要な条件を簡単に選択できる。加工条件は変数扱いができるので、ツーリングデータベースの値がそのまま工程の条件に自動設定される。
■最終平面ピッチ指定(LAST STEP OVER)
ピンホルダーなどの微小なピン形状の加工時に役立つ機能。荒取りと仕上げを等高線ごとに同時に行うことでピンの切削負荷を軽減し、微細なピン加工を実現する。
※荒取りと仕上げ工程でピッチおよび送り速度の変更が可能
また、ピッチが変えられることで加工時のビビりを軽減する活用も可能だ。
■ 構造点再配置
独自アルゴリズムにより構造点の間隔を自動でならし、微小線分の長さを一定にすることで工作機械の加減速の影響が一定近づき、加工面を滑らかにする機能。
■ SEPTune(セプチューン)
残し代・工具首下長L/D・加工範囲・送り速度の範囲を加工目的にあわせて選択式するだけで最適なパラメータを自動生成できるソフトウェア。
■ EFtune(イーエフチューン)
NCプログラムにおける最適な切削送り速度(F値)を算出するソフトウェア。知識や経験が少ないオペレーターでも短時間で簡単に加工条件を決定できる。
■ MotionExpert®-S(モーションエキスパート)
実際の機械ベースでの正確な加工時間を算出できる。NC制御装置とモーターを内製化していることからPC上でモーターの動きを正確に再現できるため、秒単位の誤差レベルでの正確なデータ算出が可能。実加工とCAMで算出した予測時間の乖離をなくし、正確なサイクルタイムを把握できる。
【リニアモーター駆動 マシニングセンタ「UX450L」】
タイでは2024年から本格的に販売を開始したソディック製マシニングセンタの最新機種。XYZ軸に独自開発のリニアモーターを搭載した高速精密加工に適した1台だ。
CGSの「CAM-TOOL」とソディックのマシニングセンタは、組み合わせて活用することでそれぞれの性能をより引き出すことができる相性の良いソリューションだ。タイでもCAM-TOOLとソディック製マシニングセンタを併用している現場は多いという。 両社とも導入からアフターサポートまでタイ現地できめ細やかなサポートを提供しており、今後もタイにおける積極的な連携が期待される。
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