CGS ASIA CO., LTD.と泰日工業大学は、2025年1月29日にCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」の技術提携 (MOU)への正式署名を行った。 両者は、産業界・工業界のニーズに対応した実践的な学びを増やすことを目的としてCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」 の使用を通じ、技術提供することに合意した。
今回のMOU締結は、企業による大学生へのインターンシップ機会の提供といった側面において、企業と大学間の協力関係構築の大きな第一歩と言えるだろう。
泰日工業大学は、元日本留学生が設立した泰日経済技術振興協会により2007年に設立された。様々な技術継承を通じて社会に恩恵をもたらすことを目的としており、労働市場への参入に備えて全学生が日本語学習を行うことをポリシーとしている。次世代を担う若手が日本的思想を持ち、日本文化を学ぶための教育機関としてタイの産業発展に貢献している。
設立当初は工学部・情報学部・経営学部の3学部のみだったが、泰日国際学院、グローバルコミュニケーション学部、デジタル技術学部が新設され、現在計6つの学部を有してる。また、修士課程もあるほか、高等専門学校卒業者の学士課程への編入も受け入れている。
泰日工業大学はタイ国日本大使館、日本貿易振興機構(JETRO)、バンコク日本人商工会議所、国際協力機構(JICA)などの各種日系機関からの支援を受けて設立されている。加えて、数多くの日系企業が奨学金制度などへの支援協力を行っている。
そういった背景もあり、泰日工業大学は各種日系企業や日系機関へのインターン生派遣を継続的に行っている。
現在、泰日工業大学は80校以上の日本の大学および30社もの日系企業と覚書(MOU)を締結し、大学や企業から寄付金や教育資材などの支援を受けている。
製造業(モノづくり)においても最も重要なことは、高品質な製品を低コストで納期通りに生産することである。それらを達成するために必要不可欠な役割の1つがエンジニアだ。
今回のMOUで泰日工業大学にCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」が寄贈されたことで、学生が講義内でCAM-TOOLを自由に使用できるようになり、同システムについての講習が、工学部の教育カリキュラムにも組み込まれたのだ。CAM-TOOLは、日本やタイの製造現場で多く採用されているため、大学在学中からその使用方法を学ぶことで、卒業後すぐにその知識や経験を実践的な業務に活かせることを期待されているという。
泰日工業大学の学生たちは実践的な環境でモノづくりに関する学びを深めている。将来のタイの製造業を支えていく優秀なエンジニア育成に貢献していることは間違いない。