ヒトの眼球の場所と向きを測り、 “無意識や無自覚”の視線の動きを可視化するアイトラッキング技術。近年、製造業分野にも導入が進み、日本市場を中心に目視検査などで活用され始めています。
今回は、アイトラッキング世界シェアNo.1を誇るトビー・テクノロジー株式会社の東南アジア営業担当 杉田氏とともに、同社が取り扱っているアイトラッキングソリューションについてご紹介していきます。
目視検査をデータに基づき標準化
ウェアラブル型アイトラッキング機器で簡単に視線を測定
近年、タイのモノづくり現場でも自動化が進んではいるものの、材料の特性(光が反射しやすい、凹凸が多い)などによって自動検査では対応できない製品は一定数あります。
特に、自動車部品などの安全品質の基準が厳しい製品においては、人の目による目視検査は重要な項目です。
標準化が難しい目視検査の「見方」をデータ化し、教育に活用することにより、教育体制の改善や、作業効率化につなげていくことができるのが、トビー・テクノロジーのアイトラッキングソリューションです。
ウェアラブル型アイトラッキング機器『Tobii Pro グラス3』
▲Tobii Pro グラス3 機器構成
<Tobii Pro グラス3の特長>
・専門知識不要。簡単な操作で、使う人を選ばず測定可能
・スマートフォンで録画再生が可能
・通常のメガネ同様の自然な着け心地で、ヘルメットの下にも着用が可能
・ワイヤレス仕様により、屋内外問わず測定可能
・従来品より視野が拡大し、手元足元作業の視線も捕捉
▲ウェアラブル型アイトラッキング機器 着用イメージ
熟練者の技術・技能をデータ化して作業標準書へ反映
人による作業バラつきの原因を科学的に解明
目視検査は、特に個々人の技量に左右されやすい領域であり、製造現場において熟練者の技術継承は長年の課題の1つです。特にタイのモノづくり現場では、本社作成の作業標準書があったとしても感覚的な部分での現場スタッフへの教育は大変難しく、時間も要します。
そういった一般的な作業標準書だけでは網羅しきれていない検査における細かなポイント(注視するべき箇所・時間・順番)などを可視化および標準化することで、現場の教育体制の改善、作業効率化につなげることができます。 さらに、アイトラッキング機器の提供だけでなく、視線データを分析してどのように活用・改善に活かすか、までお手伝いできるのがトビー・テクノロジーの最大の強みです。
▲熟練者の目視検査例
検査所要時間:13秒
▲改善前の作業標準書に基づいた目視検査(レクチャー前の非熟練者)
検査所要時間:34秒
▲改善後の作業標準書に基づいた目視検査(レクチャー後の非熟練者)
検査所要時間:21秒
✔作業を標準化することで、人によるバラつきを軽減
✔ 目視検査をマニュアル化することで訓練(教育)時間を削減
⇒作業標準書の見直し
✔ 作業者の技能を客観的に評価
蓄積したノウハウを活かして
視線データの分析から改善まで提供
日本市場においては、自動車メーカーや自動車部品の製造現場での導入実績が増えており、今後タイを中心とする東南アジアでも安全性・高精度基準が高まっている市場傾向もあって、更なる需要が期待できると感じています」(トビー・テクノロジー杉田氏)
日本電計の日本拠点ではすでに当製品の販売実績があり、タイでも近年、アイトラッキング関連のお問合せが増えています。現在、タイでデモ機は常備していませんが、ご興味のあるお客様にはデモ機テストのご案内を段取りしていますので、まずはお気軽にご相談ください。