猛暑が続く今年のタイ。雨期に入ったというのに、強い日差しは一向に衰えず、連日エアコンがフル稼働を続けています。一方、電気代は高止まりのままで、企業は高額な請求に悩まされています。こうした現状を少しでも解決できればと、当社で新たに取り扱いを始めたのが、「あいホールディングスグループ」が開発した節電・省エネシステム『Ai-Glies(アイグリーズ)』です。これまでタイにはなかった不快指数に連動した空調制御システムで、温度と湿度から8段階に分けて最適の心地よさを提供します。
本稿では、メーカー担当の和氣氏とともに特長と導入メリットをご紹介します。
間引き運転で高い節電・省エネ効果を発揮
監視カメラなどのセキュリティ事業や、カード発行システム機器などを主な業務とするあいホールディングスグループが、日本で脱炭素事業に乗り出したのは2年ほど前のことです。空調(エアコン)は頻繁にスイッチをオン・オフするよりも、一定の負荷で作動し続ける方がエネルギー効率もよく、地球にも優しくて電気代も抑えることがでます。この点に注目したのが、Ai-Gliesの節電・省エネシステムです。
室外機の通電を止めるのではなく、中にある圧縮機を30分毎に3分間程度休ませ、送風状態とすることで空調の間引き運転を実施します。温湿度センサーで得られた外気の不快指数に連動させ、暑い日は間引きを少なめに、涼しい日は多めに行います。こうすることで、少ない電力使用量で最適の空調環境が実現します。
▲最適な条件を8段階から判断し、自動制御を行う
大がかりな設備投資不要
全ての室外機に電源不要のソーラー給電による制御ボックスを取り付け、機器ごとの制御を実施します。データのやり取りなど集中制御装置とは無線で交信し、新たな配線の必要もありません。得られたデータは、LTE回線などを使ってクラウドサーバー上に集められます。こうして節電状況の見える化や故障の検知が可能となります。状況に応じて、遠隔による制御設定の変更なども行うことができます。
▲システム構成イメージ
建物の形状にとらわれず、後付けによる設置が容易な点も特長です。場所ごと区分ごとの使い分け制御にも対応しています。また、大がかりな設備投資が不要なことから短期間での導入コスト回収が可能となり、毎月の電気使用料金も大幅に減額させることができます。こうした各種利点やきめ細やかな空調性能が高い評価を得て、日本国内ではこれまでに700セット以上もの販売実績がございます。
オフィスビル電力消費量の48%が空調機器
通年で空調が欠かせないタイでは、電気代の節約が欠かせません。今年のように猛暑が続くと、経営への影響も無視できません。日本の資源エネルギー庁の推計で、オフィスビルで使用される電力消費量の実に48%がエアコンなど空調から来ることも分かっています。各種節電機器の導入も必要ですが、空調を根本から見直してみることも有益と言えるでしょう。
▲左から日本電計吉野、アイグリーズ和氣氏