私たちは普段、様々な電気製品に囲まれて生活しています。
EMC(電磁両立性)とは、各種の電子・電気機器が他の機器に電磁的な干渉を与えず、また他の機器から電磁妨害を受けても正常に動作する耐性を持つことで、互いに共存できることを指すが、EMC試験が電磁両立性を確認と保証するための試験です。
各種メーカーの製造過程において、製品発売後のユーザー元における不具合や誤動作を防ぐために、EMC試験を実施する必要があります。
今回ご紹介するのは、電気的ノイズに関する試験機器が日本国内外問わず世界中で導入されているノイズ研究所の製品です。同社の中村氏・ソロミン氏とともに、その特長や強みをご紹介します。
EMC試験装置で世の中の良品を支えるノイズ研究所
日本の製品が高品質と言われる背景には、高いレベルの品質確認の試験を行っていることがあります。EMC試験も電子・電気製品を作る上では絶対に必要なもので、タイでもこの試験の需要は高まっています。
「当社は、EMC試験という存在がまだ認知されていなかった1970年頃からノイズ試験器開発に取り組んできました。EMC関連のIECやISOなどの国際規格に準拠した試験器をご提供しています」(ノイズ研究所 中村氏)
同社は品質の追及を怠らず、信頼性の高いEMC試験器を製造するメーカーです。タイの市場に向けて、特におすすめの製品を3つご紹介します。
1)静電気試験器
人体などに帯電したエネルギーが、電子機器へ放電した際の耐性を評価し、機器の誤作動や性能評価に使えるEMC試験器です。あらゆる電気製品や部品の品質管理、設計・開発シーンで導入実績があります。EV開発が進むタイにおいても、さらなる試験ニーズの増加が期待されます。
<製品特長>
・国際規格にの規定に基づくきれいな電気波形
・高い試験再現性
▲ 国際規格の規定に基づくきれいな電気波形イメージ
・試験前に試験器の動作点検ができる始業前点検機能(プリチェック機能)あり
・軽量で最良の重心バランスの放電ガン
・幅広い産業で部品、完成品問わず導入事績あり
⇒自動車・家電・工作機械・産業機器・スマホなど電子機器など
2)空間電磁界可視化システム(EPS)
現状タイでは、多くの方がスペクトラムアナライザーで電磁波データを取得し分析するという方法をとっていますが、データ分析に手間がかかって困るという声も多く聞きます。
このシステムでは、電磁波を色分けマッピングして視覚的に表示し、製品の弱点や改善箇所はどこなのかを簡単に確認・記録・分析できるため、開発プロセスの短縮化・効率化に繋がります。
▲ 電磁界プローブを変えることで大小さまざまなサイズの測定が可能
<製品特長>
・三次元表示(周波数、レベル、時間)
・小型から大型まで様々なサイズの対象物の測定が可能
・ハンディで測定の自由度が高い
・測定結果が色でマッピングされてわかりやすい
・改良・バージョンアップで常に進化している
3)方形波インパルスノイズ試験器(INS)
スイッチングノイズや電子モーターから発生するアーク放電などによる立ち上がりの早い高周波ノイズを模擬的に発生し、電子機器の耐性を評価する試験器です。
国際規格の要求規定を上回る広い周波数成分と可変するエネルギー量によって、より厳しい試験を実施することができます。
<製品特長>
・独自性が強く、日本でも唯一に近い製品
・日本電機工業会の規格に基準の一つとして選ばれている
・国際規格よりも厳しい試験により、開発/設計にマージンを持たせることができる
・エンドユーザー元に発生する不具合を試験の段階で再現できるツール
・日本では非常に多くの導入実績があり、海外でも実績が増え始めている
ノイズ試験需要高まるタイで、日本電計×ノイズ研究所の協力強化
先日、日本電計主催のプライベート展示会を開催し、ノイズ研究所も出展いただきました。
「EPSや静電気試験器について複数質問を頂き、関心の高さがうかがえました。また、工場団地を実際に周って日系メーカーの多さを実感し、まだまだ潜在的な大きなポテンシャルがあると感じました」(ノイズ研究所 ソロミン氏)
▲ 展示会ブースにて左から、ノイズ研究所ソロミン氏・日本電計タイランド佐治氏
▲ 会場でも注目を集めた静電気試験器
ノイズ研究所の持つソリューションをまだ知らないというお客様にも今後届けられるよう、
「タイのEMC試験を楽に」をモットーに今後も両社で協力してまいります。