試験物の条件にあわせて選択しよう!加速度センサの正しい取り付け方法3選
09/05/2022
THAI EMIC CO.,LTD.
正確な振動試験の実現において、加速度センサの性能のみならず、その取り付け方によっても試験結果は大きく左右されます。今回は、加速度センサの正しい取り付け方についてご紹介していきます。
▶エミック製 加速度センサについて
加速度センサの正しい取り扱い
加速度センサが正しく取り付け、固定されていないと、高域周波数の測定やダイナミックレンジに制限を受けて正確な測定を行う事が出来ません。加速度センサを取り付け、固定するときは、センサの取り付け面(底面)と試験物の取り付け面を強固に密着させる事が必要です。
試験物の形状や条件によってそれぞれ最適な取り付け方法があります。
主な3つの取り付け方法をご紹介します。
ねじ、接着、絶縁…試験物の条件によって選択
最適な加速度センサの取り付け方法
<ねじによる固定>
ねじによる固定、取り付けは、製品そのものにねじ穴がある、製品周辺の振動を測りたい場合に最適です。取り付け面にすきまや傾きがないように、取り付け面をフラットな状態にして、密着するように固定ねじを用いてしっかり締め付けて固定します。取り付け面が完全にフラットではない場合、シリコンオイルやグリースを取り付け面に塗布して固定すると、高域特性が改善できる場合があります。
▲ねじ固定による取り付けイメージ
向いている試験物:すでに取付可能なねじ穴がある。あるいは取付可能なねじ穴を追加工できる。
<接着による固定>
試験物に直接固定するための穴加工、ねじ加工が出来ない場合、接着剤による固定をおすすめします。接着面に汚れや水分、油分等がないように清浄にした後、エポキシ接着剤やシアノアクリレート(瞬間)接着剤を用いて固定します。適切な接着による固定は、ねじによる固定と同等の特性を得る事が可能です。加速度センサの取り付け面や、ねじ穴部分を接着後の取り外しで傷つける事を防止するには、オプションの袋ナットアダプタを用いて接着して下さい。袋ナットアダプタは片側に加速度センサを取り付けるねじ穴加工がしてあり、もう一方は、試験物と接着するための平面になっています。さらに、取り付けに適合するように平面側を追加工する事も可能です。
▲接着剤で取り付けた加速度センサ
軟らかい接着剤は、高域周波数の特性が低下するのでおすすめ出来ません。また、接着剤の使用範囲を超える温度範囲では、接着強度が低下して特性が大幅に劣化したり、接着がはがれたりする可能性がありますのでご注意下さい。
向いている試験物:試験品本体に穴をあけることができない、小型で軽量
<電気的な絶縁>
試験物の電位が測定器の電位と異なる場合や、加速度センサを直接固定することでグランドループを生じ、ノイズの混入等の原因になる場合は、加速度センサを試験物と電気的に絶縁して取り付ける必要があります。電気的に絶縁して取り付けるためには、加速度センサに適合した絶縁スタッド(オプション)を用いるか、絶縁したねじ・ワッシャなどを用います。また、接合面にセラミック、エポキシなどの絶縁物を介して接着する方法でも絶縁可能です。接着剤で直接加速度センサを固定する場合、接着層の厚さや周囲の水分の影響を受けて、電気的な絶縁が完全でない場合があります。絶縁して取り付けたいときは、専用の絶縁スタッドを用いるか、絶縁物を介して接着して下さい。電気絶縁は最も計測精度が高いため、おすすめの方法です。
▲電気的絶縁による取り付けイメージ
向いている試験物:導電性がある材質の試験品
その他、ワックスによる固定方法、マグネットホルダによる取付方法もございます。
試験物の形状や、条件(導電性など)によって適切な取り付けが変わるため、試験品によって当社から最適な加速度センサを提案させていただいております。
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