プラスチック射出成形において、特に悩みの種になりやすい工程が「バリ取り」と「スクリュー洗浄」。単純作業でありながらもコストや時間がかかり、安全性においての様々なリスクも伴うため、頭を悩ます方も多いのではないだろうか?
今回は、射出成形分野の強い味方であるエアーブラスト専業メーカー、フジブラステック(タイランド)(以下、フジブラステック)のブラスト技術を活用したバリ取りとスクリュー洗浄で、作業効率化に成功したTHAI STARLITE Manufacturing Co., Ltd.(以下、タイスターライト工業)の事例を前編、後編に渡ってご紹介します。
タイスターライト工業は、創業30年を越える樹脂成形加工メーカーであり、主にOA機能部品や自動車向け機能部品などを生産している。近年タイでも需要が高まっている高機能プラスチック加工の分野を得意としている。
高機能性樹脂と呼ばれるスーパーエンプラ※を使った部品加工が多く、中でもガラスファイバー入り樹脂の加工を専門としている。
同社では40t~1,300tまでの幅広い種類の射出成形機を計78台保有。取り扱う樹脂原材料は約210種にものぼる。
※スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)
高機能熱可塑性樹脂であるエンジニアリングプラスチックの中でも強度・耐熱性・耐薬品性などに優れている樹脂。主に金属の代替部品として使用される。
ガラスファイバー入り樹脂は、樹脂の中でも最も成形品にバリが付きやすい上、金型や成形装置への負担が大きく、摩耗を起こしやすい。同社は、加工にかなりの手間がかかっていた中、バリ取りにブラスト加工を導入したことによって以下のような生産効率改善に成功した。
<バリ取り工程において抱えていた問題点>
・コストと時間がかかる
バリ取りや製品検査の専門部隊が(バリ取り作業+製品検査)1チーム約20人×3チーム交代制で行なっていたため約60人もの人員が割かれていた。
・品質の不安定
手作業なので加工者によって品質のばらつきがあり、刃物をつかってバリ取りすると、バリ以外の部品本体に傷などがつくことによる不良の発生もしばしばあった。
・成形後の目視検査
成形後にバリ有無をチェックする作業を行う必要があり、人出と時間が必要。
ブラスト加工に使用する研磨材は一定期間繰り返し使えるため、ランニングコストも低額。
機械の操作も簡単で専門知識や技術はほとんど必要ない。
「想定していた以上の費用対効果を感じています。弊社は特にバリの発生しやすいガラスファイバー入り樹脂が専門なので、長年バリ取りには悩まされていました。現在、バリ取り用ブラスト装置は3台導入していますが、弊社の生産規模だともう1台くらい必要だと感じています。とにかく操作が簡単で人を選ばず、加工品質も良いので有用性が高いですね」
(タイスターライト工業 東氏)
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