今回の記事では、阪神ネジ(タイランド)の営業担当Nuttapol Sirilert氏に伺ったお話をもとに、顧客ニーズに合う最良の原材料で製作するオーダーメイド(特殊製作)ネジについて紹介したい。
「当社は、日本から輸入したネジをタイで販売しています。特殊なネジや質の高いネジなどタイ国内で調達不可能なものも多く扱っています。大きさも、電子回路に使用する寸法1ミリのものから、橋など大規模建設で使用する100ミリの大きなものまで様々。原材料は、鉄、チタン、各種グレードのステンレス、アルミニウムなどです。
中には需要が少ないものもありますが、それでも求めている人は必ずいます。
私たちの強みは、たとえ特殊な資材であっても、1点から販売できることです」
「工場や自動車産業において自動化機械を作るお客様は、オーダーメイドのネジを多く求められます。
また、自動車部品等プレス成形業務の委託では、機械をドイツやアメリカ等の外国から輸入している場合があり、機械に組み込まれたネジをお客様自身で探すことができないことも多々あります。
そこで当社ではオーダーメイドを受け付けしています。製作にかかる時間は、標準ネジの場合1ヶ月以内、新たに設計からする場合は2ヶ月程度です」
「オーダーメイドの主な手順として、まず企業の購買部からお問い合わせ頂くか、または弊社からお客様を訪問し、エンジニアの方にご希望の仕様や詳細についてヒアリングします。
・どのような業務に使用するか
・使用する場所
・引っ張り強度・締め付けトルク
・環境(熱、油、液体、化学物質があるか) …など
ヒアリング後、社内でどの種類を使用するべきかを検討します。
例えば、アルミニウムは様々な業務に使用できます。
また最近では、弊社でGoogle mapの車両のような地図調査車の企業向けに販売をしました。
お客様は上部カメラの重量を低減するためにチタンのネジを選択。
チタンは、身体に埋め込んでも副作用がないため、医療機器に多く使用されます。但し、価格も最も高くなります。
鉄とステンレスは、一般に広く使用されており、最もオーダーが多くなっています。
当社では、原材料の証明書を用意しており、製作した鉄の化学成分や、お客様の求める仕様に合っているかを確認できます。
また、引っ張り強度を示した文書やネジの防錆性を示した文書等、お客様の求める各種値を測定した検査シートもあります。お客様に安心・信頼して頂けるようにしています」
「使用中に問題があれば、ご連絡頂いてから2日以内に訪問します。
迅速に問題の原因を調べて交換できるよう、サポート体制が整っています。
問題の多くはネジの頭部が外れるというもので、亜鉛メッキのネジに特に多く見られます。
メッキ加工時に本来必要な処理が行われないために起こってしまうものです。
また、メッキできるのはある程度の強度までと決まっていますが、タイではそれ以上の強度のネジにメッキがされていることがあります。
亜鉛メッキに適した強度のネジを調達するのはタイでは難しい場合があり、製造・販売を行う国も日本を含め数ヶ国しかありません」
「2019年11月20〜23日に開催されるMETALEX 2019は、『Smart material』がテーマです。当社では、特殊グレードのステンレス、プラスチック、真鍮を展示予定です。
展示予定の製品
■各種温度・圧力の変圧器に使用する耐熱性の高いグレードSUS310S
■海水又は化学物質に使用するステンレスSUS316
■鉄又はチタンと同等の強度を持ち、航空・医療関連の資材に使用するステンレス400 など
ブース情報
Hall:105 Booth:5F39-4
どのような業務に使用可能かという説明もありますので、知識がなくても、関心をお持ちであればお気軽にお越しください」
「ネジは、多くの人にとって比較的身近で、サイズ以外大きな違いはないように見えるかもしれません。
しかし、私は非常に重要な部品だと思っています。
ブランコの事故等の多くの事故がナットの緩みや破損によるものだからです。
だからこそ、ネジを選ぶ際には、成分や仕様が確認できる証明書があるものをおすすめしています」
【タイ法人】
Office
Tel: +66(0)38-348290
安達 祐介(タイ駐在)
Yusuke Adachi
Mobile: +66(0)93-329-2526
Email: y.adachi@hanshin-neji.com
【日本本社】
Office
Tel: 06-6466-3491
杉本 和暉(日本本社営業)
Kazuki Sugimoto
Mobile: +81-903820-9294
Email: k.sugimoto@hanshin-neji.com