日本の“当たり前”を世界で提供できれば
ねじ業界にイノベーションが起こる!
阪神ネジ(タイランド)は、豊富な在庫と日本からの航空便を駆使して、高品質なねじをタイ全土へ、そして周辺国へスピーディーに届けている。
今年9月には、タイ最大級のねじ専門ECサイト「ねじレオ.com」をオープンした。
「ねじの発注量に関わらず、必要としている人にすばやく届けたい!」という思いがこもったサイトは、簡単に少量から注文できるうえ、納期の目安や詳細な図面も見ることができる。
同社の山里GMは「ねじの調達に困っているお客さんは世界中にいる。あるいは、お客さんは困っていることにすら“気付いていない”」と話す。
来タイしたことで、日本では「いつでも、どこでも欲しいねじが手に入る環境が当たり前」だが、海外では、納品に時間がかかることも、高品質なねじ・ニッチなねじが手に入らないことも「そういうもんだ」と捉えられていることを知ったという。
山里GMは「“ものづくり大国”といわれる日本の“当たり前“を世界に広めて、ねじの世界を知ってもらいたい」と、タイ法人設立時から変わらぬ思いを語る。
阪神ネジが目指す “みんなを幸せにする会社”
新型コロナ拡大をきっかけに、山里GMはこれまで以上に「工業製品であるねじを販売する会社として地球のために何ができるか?私たちがねじを売れば売るほど、自然や野生動物までもが笑う、そんな会社にすることはできないだろうかと考えた」という。さらに「そうした発想をもつ人材を育成する」使命を感じた。
そこですぐに、会社として寄付を行なうために30万バーツの予算を組んだ。
社員が「環境保護」「教育」「医療」の分野ごとに寄付先を探してプレゼン大会を行ない、最終的に彼らが選んだ地元の病院と教育機関に各15万バーツを寄付した。
環境問題については「どの案も良かったんですけど、すぐに始められることが身の回りにあるんちゃう?と気付いた」といい、ごみの分別の強化や社用車をEV車に替えるなど、日常の業務や生活の中でできることから実行している。
山里GMは「正直にいうと、スタッフ全員が活動に賛同しているかどうかはわかりません。ただ、人のためを思って取る行動は必ず世の中から喜ばれ、事業の発展に必ず繋がる、またそれはそこで働く人たちの本当の幸せに繋がると、私は信じてます!その想いを社員に伝えている」と話す。
将来的には、ねじ専門ECサイトを他国でも展開することを計画している。
タイ法人が運営するねじレオ.comからも海外発送は可能だが「それぞれの国で寄付活動などを続け、地域に貢献する会社でありたい」という理想がある。
阪神ネジは、これからも「人を思いやり、みんなを幸せにする会社」を目指して、猪突猛進する。