ナイロックとは、ネジ部にナイロンを塗布し、強力な緩み止め効果を発揮させる技術です。
様々な種類がある緩み止めネジの中でも、雄ネジ・雌ネジいずれでも加工できることや、繰り返し使える点などユニークな部分が多くあり、当社阪神ネジでも一押しの製品です。
今回は前後編でナイロック技術の仕組みやその凄さについてご紹介していきます。
ナイロックは、NASAの人工衛星や、世界の代表的な自動車・航空機・機械・電器メーカーなどで多くの採用実績があり、食品衛生法合格品でもあるため、食品製造機・医療機器・介護機器などの幅広い産業分野で認められています。
また日本の新幹線には、先頭車両のワイパー・ドア部品・窓枠を止めるネジ・線路を止める杭・その他架線など、多くの箇所で活用されています。新幹線は時速300kmを超える速度で走行するため、凄まじい振動が発生しますが、これまでネジの緩みが原因で大事故になったことはほとんど聞いたことがありません。高い安全性と高品質からナイロックの緩み止め効果の強大さがわかります。
ナイロックの最大の特長は、繰り返し使える「緩み止めネジ」ということです。「緩み止めネジ」はISO規格では、ネジを締めこんだ後、戻しトルク(緩めるときのトルク)を計測し、ある一定以上の値でなければならないと規定されています。下図の青ラインでは、ナイロックはトルク値が1回目の戻しトルク、2回目、3回目…と低下していますが、7回目くらいからおよそ一定の数値が計測されています。1回目、2回目と値が下がっていくのは、ナイロックはナイロン製なので、でナイロックがネジ部、つまり金属に押されて馴染んでしまっているためです。ただ、この数値というのはその下にあるISOが決めている最低戻しトルク値に比べて圧倒的に高いところでキープしています。つまり、繰り返し使っても緩み止めネジとして効果を抜群に発揮した状態を保っているということです。
ナイロックは様々なネジに加工することができるという点も特長です。緩み止めネジ製品というのは、ナットやワッシャーなどに細工を施すことが多いのですが、ナイロックは雄ネジでも雌ネジでも加工が可能です。キャップボルトや止めネジ、小ねじ、六角ボルトなどの一般規格品への加工ははもちろん、カスタマイズで作った加工品であっても加工することができます。また形状にもよりますが、M1の微細なネジから、M24などの大きなネジ、鉄・ステンレス・SCM435などの合金鋼であっても加工ができます。
※真鍮など一部加工しにくいものもあるため要相談
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