ねじの専門商社である阪神ネジ(タイランド)の顧客導入事例として、機械部品の熱間鍛造加工を手掛けるタイ・フォージング・エンジニアリング株式会社(以下、TFE)でのねじ活用例をご紹介する。
TFEは、1991年に設立された農業・自動車・建設など幅広い業界向けに鍛造加工を提供している機械部品メーカーだ。タイ国内販売にとどまらず、フィリピン・インドネシア・ドイツなどへの部品販売も行っている。
主な成形品例
鉄製品
・ ギア&クラッチ:ギアリバース、ギアリバースアイドラー、コネクティングロッド/キャップ、シフトフォーク
・ ハブユニット:シフト、外側リング
・ プロペラシャフト:フランジヨーク、チューブヨーク、スリップヨーク、スプラインヨーク、スプラインシャフト、エンドシャフト
・ CVジョイント:インボード&アウトボード
・ エンジン:ブラケット、コネクティングロッド/キャップ など
アルミ製品
・ショックアップ
・オフロードアクセサリー など
TFEはISO9001:2015およびIATF16949:2016規格を取得しており、部品品質を最も重要視している。 品質管理の専門部署によって材料の品質検査、加工した部品や製造に使用する金型検査、完成品の精密検査など、各工程での品質管理を徹底している。
さらに、トレーサビリティシステムを導入しており、万が一問題が見つかった際には、問題が発生した工程や原因の究明を迅速に行えるようにしている。
TFEでは、昨今高まるタイでのEV部品需要の高まりを見越して新たな設備を導入し、アルミの熱間鍛造加工の対応もはじめた。
熱間鍛造工程は、機械に大きな負荷を与えるため、使用する機械には高い耐久性が求められる。スムーズな機械操作と、使用者の安全や作業効率性を確保するためには、金型と受台を固定するねじの選定はとても重要だ。
阪神ネジのねじを導入する以前は、規格に満たないねじを使用していたことによって、機械稼働中のねじの緩みや破損などの問題が発生していたという。製品の品質低下や機械修理に支障をきたすなど課題を抱えていた。
「高品質且つニーズに適した特性のねじを使用することにより、ねじの寿命が長くなりました。最長6ヵ月も使用することができています。 弊社では特注サイズのねじを使用しているため、日本からの輸入が必要ですが、阪神ネジ側の対応がいつも迅速で、緊急時の短納期対応など助けられています」(TFE取締役 ブンチャイ氏)
TFEでの課題は、使用するねじの品質に起因していた。規格に満たないねじを使用することで、破損やねじ山の潰れ等が発生し、「ねじの使用可能期間が短くなる」「機械の修理回数が多くなることで生産ラインの停止を余儀なくされる」などのトラブルが発生していた。
阪神ネジのねじ導入後は、これらの品質問題が解決し、ねじの使用期間が以前に比べて3倍に延びた。さらに、作業時間・人件費の削減を実現するとともに、メンテナンス計画を綿密に組むことができるようになったという。
「阪神ネジのねじを導入して5年が経ちますが、高い品質と適正な価格に非常に満足しております。使用上の問題が発生したことは一度もありません」(TFE取締役 ブンチャイ氏)
高品質なねじの提供に加えて、短納期対応は阪神ネジ(タイランド)の強みだ。そして、ねじの選択や仕様に関するコンサルティングサービスも同社の大きな特長と言える。 ねじは小型部品ながらも、製品品質や生産効率に大きな影響を及ぼす。今後も、ねじにまつわる課題解決のアドバイザーとして、同社がタイで活躍していくのは間違いない。
【取材協力】
THAI FORGING ENGINEERING CO., LTD.
【タイ法人】
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安達 祐介(タイ駐在)
Yusuke Adachi
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杉本 和暉(日本本社営業)
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