タイ・東南アジアでも定評がある、製氷機や業務用冷蔵庫をはじめとするホシザキの厨房機器。 顧客からの信頼を獲得している理由の1つとして、サービス品質の高さが挙げられる。
多様化していく顧客要望に応えるべく、サービス品質向上を目的として、2023年7月にタイ・バンコクに「ホシザキ 東南アジアサービスセンター」開設された。
今回は、同施設の吉村GMに取材し、サービスセンターの役割やホシザキのサービスの強みについてきいた。
▲ センターでの研修の様子
ホシザキが直接管轄するサービスマンの技術力向上
ホシザキ 東南アジアサービスセンターは、ホシザキが直接管轄する現地サービスマン代理店、委託業者の技術力や知識向上を目的として開設された研修施設だ。常時30種前後のホシザキ製厨房機器のデモ機を保有し、熱帯気候の東南アジアで発生しやすいトラブルの対処法や、メンテナンス知識などの講習を定期的に行っている。
▲ センターで保有している厨房機器のデモ機一部
タイ国内はもちろんのこと、東南アジア(タイ・フィリピン・ベトナム・インドネシア・マレーシア・シンガポール)の販売委託会社のサービスマン育成も手掛けており、東南アジアにおけるホシザキのサービスの心臓部ともいえる施設だ。開設からすでに150名を越えるサービススタッフが研修に参加しているという。
「厨房機器メーカーで、海外拠点に直管理のサービス部隊を保有するメーカーはほとんどありません。ホシザキは、特にサービス面を重視しているので、海外拠点であっても現地サービスマンの育成に注力しています。また、優秀なサービスマンが育つことで、各国の現地販売代理店や修理委託会社のスタッフのレベルを向上させることも狙いです」(吉村GM)
100モデルを超える幅広いラインナップを網羅
東南アジアの中核として選定されたタイ
サービスセンター開設の場所にタイが選ばれた理由として、以下の5つが挙げられるという。
・エンドユーザーが多い
・F&B店舗数が多く、今後もさらなる増加が期待できる
・サービスメンテナンスに必要な部材や工具が入手しやすい
・現地スタッフレベルの高さ(多言語対応可能、対応の早さ)
・地理アクセスの良さ
▲ メンテナンスに使用する工具類
「東南アジアでは、国によって販売している製品が異なり、冷蔵庫だけで100モデル以上あります。製品ラインアップの多さだけでなく、世界的にも顧客の多いエリアなのでサービスを充実させることは顧客満足度にも直結する重要事項です。当センターでは、取り扱っている全モデルのサービスメンテナンスを監修しています」(吉村GM)
トラブル事例を工場へフィードバックし、製品改善につなげる
サービスマンの育成のみならず、各国から寄せられるトラブルケースを分析し、各製造工場に情報のフィードバックも行っている。既存製品の品質向上や、新製品開発におけるサービス目線でのアドバイス提供など、製品品質や機能に直結する重要な役割を担っているのだ。
東南アジアで販売している製品は、中国・トルコ・インド・ヨーロッパ・日本など、幅広いエリアから供給されており、トラブルレポートは工場にとって貴重な情報源である。
気候・電源事情・水質などの国によって異なる環境要因によって、トラブルの傾向や最適な製品は変化していくという。
「日本では約3,000人の専任サービスマンが稼働しており、東南アジアでは、現在約50人のホシザキ直管轄のサービスマンが所属しています。ホシザキのサービス品質は、他メーカーと比較しても自信を持ってお客様に推奨できる高いレベルです。やはり、委託サービスに比べて直サービス部隊は、お客様の要望に対して迅速に対処することができるため、長期的に安心して製品を使用いただける秘訣となっています。今後はさらにサービスマンを増員し、より高いサービスネットワークを構築していくべく、センターの役割も拡充していきたいです」(吉村GM)