伊吹産業(タイランド)の横幕社長が信頼を寄せるユタニ(タイランド)。
ユタニは、自動車・電機・建築など各メーカーの生産ラインに使用するプレス周辺機器や各種自動化装置の製造と開発を行なっており、横幕社長が依頼する案件にも対応している。
日本のユタニ本社とは50年以上の付き合いがあるという横幕氏と、ユタニの酒井氏が同社の強みについて語った。
▲ユタニ(タイランド)工場前にて
—両社のタイでの協業内容をお聞かせください。
酒井:伊吹産業がプレス機械を販売し、当社は周辺機器の自動送り装置(アンコイラー・レベラー・フィーダー・トランスファー)などを提供しています。
横幕:酒井さんにタイでお会いしたのは2015年。
酒井さんは日本のユタニに勤務後、タイで一度起業されました。現在は酒井さんの会社がそのままユタニさんのタイ支店になったということでしたね。
酒井:そうですね。また、ユタニの一員に戻った、という。(笑)
タイで、ユタニ機械のアフターメンテナンスの仕事をやらせてもらえないかと日本のユタニに相談して、2012年に独立しました。
その後2015年にユタニ初の海外工場、現地工場として傘下に入り、現在の形になります。
▲日本レベルの高品質なモノづくりを支える、ユタニ(タイランド)の職人たち
横幕:タイの生産工場は今まで手作業が多かったが、タイ人の人件費が上昇してきたので、プレス機に搬送装置などを導入して自動化するという流れになってきた。
酒井:ユタニの製品は、お客様の工場の仕様に合わせたカスタム品となります。
当社では、プレスの工程を自動化する機械の開発だけではなく、金属コイルや金属素材を加工・処理する装置の開発にも力を入れています。
現在、工場ではレベラーフィーダーなどとは異なる仕組みの搬送装置の開発も行なっています。
簡単に説明すると、ロボットを使ってプレス用の材料を、自動でプレス機に搬送する仕組みです。
ここタイでも「日本レベルの高品質を遵守する」ことをテーマに、大型製品だけではなく、小ロットのオリジナル部品の製作にも対応しています。
—伊吹産業が考えるユタニ(タイランド)の強みは何でしょうか?
横幕:ユタニは、標準品の機械を柔軟にカスタマイズする発想力や技術力が優れている。前述のロボットを使った自動搬送の機械は一品ものですし。
酒井:当社はスタンダードの機械をカスタマイズしたり、全くオリジナルの機械を開発することもできますが、そういったことのできるメーカが日本にはほとんどなくなってしまいましたね。
横幕:大抵どこかの会社の専属工場になってしまい、あれもこれも作る体制ではない。特に、タイでは、機械のカスタム化や、オリジナルの機械を作っている日本のメーカーは殆どないと思います。
ユタニは、弊社にとって貴重な存在です。
酒井:特注で機械を作る時、設計が大変なんです。一から設計図を書かないといけない。その設計部隊を自社で保持するのが、これまた大変です。
当社は、お客様の要望にあわせて色々な種類の機械を作り続けてきたので、以前に実績のある図面をすぐに出してこられる。それをベースにして、迅速に設計・オーダーメイドができるという強みがあります。
横幕:例えば、多関節のロボットは、メーカーから買っても、それをそのまま使えるわけではない。システムのプログラムを組んだり、生産ラインでモノを置く台を作るなど、全部設計しないといけないんです。
ユタニは、設計の部隊とか据え付ができる技術者を抱えているので、色々な案件に対応してもらえる点がいいですね。
プレス機販売の伊吹産業と、その周辺機器をカスタマイズするユタニ。
プレス機の自動化が進む時代、信頼できるパートナーを持つ伊吹産業の対応力は見逃せない。
YUTANI (THAILAND) CO., LTD.
酒井 良太 Managing Director
2015年12月にユタニ(タイランド)を設立し、Managing Directorに就任。
コイルライン、レベラー、プレス周辺搬送等を中心とした自動化装置メーカーとして、現地生産を行っている。
タイでプレス機の自動送り機(オートフィーダー)、レベラーフィーダー、などをお探しの際は、伊吹産業(タイランド)にお問合せください。