工場や現場での改善について、機械自体のグレードアップやフローの改善以外に「人でないとなかなか気付かないポイント」をどう見える化して、人も含めた更なる改善や効率化を考え、実践するか…。収集されるデータからの気付きや課題の明確化は、ポストコロナを迎えた昨今、より重要な取り組み課題になってきています。
皆様は、製造現場での改善・効率化へのIoT活用をどのように導入し、対応されていらっしゃいますでしょうか?
iCONEXTが提供するSEESETや独自IoTサポート
以前、SEESETを使った現場カイゼンに向けたデータの見える化事例を紹介させていただきました。
今回は具体例として、現場の機械から送信されるデータや情報をPLCを介し、その読み取りからデータベース構築・PC上でのインターフェース準備・FAとの連携・実績データのトレースやデータ抽出…といった流れを構築した事例を紹介させていただきます。
【「機械オペレーションデータの見える化」事例紹介】
クライアント課題
加工する部品にシリアル番号が刻印されるが、稀にその番号が重複するケースがある。番号の重複した製品を客先に誤納品しない防止策として、加工前に重複した部品を取り出したい。
iCONEXT提案のシステム
上記の課題を解決することに加えて、生産設備からPLC経由でトレーサビリティデータを取得し、PC画面上で表示できる以下のような機械監視システムを提案しました。
1)Windowsアプリケーションの機械監視システム
・データベースからトレーサビリティデータを取得して表示
・画面上のデータをExcelファイルへ抽出
2)PLCインターフェース
本システムはPLCをインターフェースとし、加工機からの加工機番号・主軸工具番号・クランプ時間・加工時間・シリアル番号等のデータを取得し、SQLサーバへ保管
3)IoT Data Share
PLC などのFA機器とITシステムをプログラムレスで連携するための株式会社デンソーウェーブのミドルウェア
システム概要
▲ データ取得と監視やフィードバックフロー図
1:重複したシリアル番号の検知
加工前に部品のシリアル番号が重複していないか確認。加工機の前にロボットアームとスキャナーが設置されており、スキャナーで部品に刻印されたQRコードを読み取り、そのデータをMaster PLCへ送信する。IoT Data Shareは、Master PLCからシリアル番号を取得し、データベース内の過去に製造したシリアル番号と照合した結果をMaster PLCに返す。重複していればロボットアームがそのワークを取り外す。
2:トレーサビリティデータ表示
加工機番号・主軸工具番号・クランプ時間・加工時間・シリアル番号といった情報がデータベースに保存され、期間やシリアル番号をキーに履歴を容易に検索することが可能。
▲機械監視システムのステータス確認画面
機械とデータベースとの連携方法とポイント
FA機器と接続し、データの収集・加工・保存・通知・公開に特化した機能を提供する「データ統合ソフトウェア」を導入することで、システム開発期間を短縮でき、コストも削減できます。このプロジェクトでは、各メーカーのハードウェアと連携できるドライバーを提供している『Denso IoT Data Share』を一連のフロー内で採用しました。システム連携の強さを把握していることもiCONEXTの強みとなります。
✔ 加工機械から様々なデータをPLCを介して取得するが、IoT Data ShareがなければPLCのプログラミングが必要になり、時間もコストも要する
✔ データを取得してMS SQLやMYSQLなどの様々なデータベースに保管可能
✔ 機械からのデータを人間が見て分かる形に変換して、システムで表示
システム導入後のメリット
1.重複した部品を自動で検知でき、生産工程から簡単に外すことができるため生産性が向上
2.シリアル番号を入力するだけで、各部品の生産履歴の詳細を簡単に確認可能
3.IoT Data Shareを導入し、機械監視システムと連携したことで、PLCとの連携ためのプログラム開発が不要になり、システム開発コストと時間を低減
まずはお客様の課題を丁寧にヒアリングし、実績豊かなiCONEXT開発部隊が課題解決につながる最適なシステムを提案させて頂きます。業務改善や効率化につながる仕組みの構築、既存システムとの連携、データの管理・見える化など、幅広い範囲でのご提案が可能です。