■ タイにおけるe-Tax導入の背景
e-Taxは、紙のインボイス(請求書)・タックスインボイス・レシート(領収書)を電子化するシステムです。タイでは2015年より政府主導でキャッシュレス方針が促進され、国家電子決済(National e-Payment)プロジェクトが開始されました。e-Taxは、このプロジェクト計画の1つです。
■ e-Taxの目的
・電子税申告書と電子領収書の発行により納税申告の手続きを簡素化し、民間企業における納税手続きの所要時間と手順を削減する。
・民間企業はすぐにタックスインボイスとレシートを得意先へ送付できる。
・規定した期間内にタイの税務署へデータを提出できる。
尚、中小企業・大企業・商店・飲食店でもe-Taxを利用可能です。*
*e-Tax Invoice & Receiptは売上額・資本金額の制限なし
e-Tax Invoice by Emailは年間売上額3千万バーツ以下の企業が使用可(2023年12月現在)
タイ国歳入局は、2028 年までにすべての企業がデジタル課税に参入するよう促進しています。e-Tax導入が義務化される前に緩やかにDX化を進めるべく、下記のような準備を推奨します。
✔ 歳入局ウェブサイトよりe-Tax タックスインボイス・レシートの発行と提出の申請手続きを行う
✔ https://www.thaidigitalid.comより電子署名を登録
✔ e-Taxシステムを導入して、自ら税務署のウェブサイトへデータをアップロード
✔ 社内でe-Taxシステムを導入できない場合は、外部のサービスプロバイダーにアウトソーシングすることも可能
✔ 紙の電子化とプロセス変更について取引先・仕入先・得意先と事前に同意を得るようにする
⇒企業によっては依然として紙を無くせない可能性があるため、関係者の協力を求めながら、プロセス変更を依頼する必要があります。
弊社アイコネクトでは、ある大手金融企業向けにe-Taxシステムの機能を開発した実績があります。
以前この企業は、紙形式でタックスインボイスを税務署に、レシートを得意先に送付していました。タックスインボイスとレシートのデータは、テキストファイル形式でデータベースに保管されていました。
このテキストファイルをe-Tax申請時に必要なフォーマットとされるXMLファイルへ変換する機能を開発し、デジタル署名を付けて、税務署へ送付するデータを用意しました。併せて、得意先へ送付するレシートデータを(紙の代わりとなる)PDFファイルへ変換する機能も開発しました。
上記の実績をきっかけに、紙ベースの税務書類を電子形式に切り替えたい企業に対応できるよう、e-Tax支援システムを開発しました。
現状のe-Tax インボイスシステムには、次のような機能があります。
・使用者は、タックスインボイスとレシートのデータをExcelファイルとして用意し、e-Tax Invoiceシステムへアップロード。
・税務署のウェブサイトへアップロードできるよう、システムはデータをXMLファイルへ変換し、デジタル署名を付ける。
・得意先へ送付するために、システムはデータをPDF化し、デジタル署名を付ける。
以前ご紹介した電子文書管理システム『EZコントロール』とe-Taxシステムを組み合わせて導入することで、実際の紙の使用量も削減できるため、更におすすめです。
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