いなさ(タイランド)は、タイでお客様の注文に応じた仕様の板金加工や塗装を行なうほか、工作機械部品・機械カバー・精密部品の制作・組立等を行なっています。
いなさの根幹である板金加工の各工程には、タイでは難しい日本の高度な手作業による技術が使われています。
いなさが持つ板金加工のハイレベルな技術
1. 設計
▲3DCADにて板金展開を確認
当社には、図面なしで「こんなものを作りたい」「こんな加工はできないか」と言ったご相談をいただくことがよくあります。
そういった場合、お客様のご希望を伺った上で、どうすれば綺麗に見えるか、またどうすればコストを抑えてご希望のものが作れるかを考えながら自社で設計を行ないます。
溶接が多くなると仕上りが綺麗ではないし、コストも上がってしまいます。そのため、できるだけ曲げの工程を多くし、溶接を減らすように心がけています。
2. 切断
▲パンチング加工、銅材切断
小さな端材まで使い切るよう、毎朝ブランク工程から設計者へ報告させている
コストを抑えて少しでも低価格でご提供できるよう、同じ板厚のものをまとめて一度に切断するようにしています。薄い板はパンチング、厚い板はレーザーと、厚みによって方法を変えて対応しています。
ローカル企業ではなかなか対応が難しい、アルミ・真鍮・銅の切断も行なっています。
▲小さな製品も切断後抜け落ちて傷がつかないよう、ジョイントを行なう(左)
残った端材も機械のクランプ(掴み代)部分まで切断し、無駄を抑える(右)
3. 曲げ加工
▲R曲げ加工
「曲げ」は、いなさの一番の強みです。
見た目が綺麗に仕上がるよう、またコストを抑えるために、曲げ加工に特に力を入れています。
他社と比べて種類・数ともに多くの金型を揃えています。
4. 溶接
▲圧縮タンクTIG溶接作業
いなさでは、鉄やステンレスの溶接に加え、難易度の高いアルミの溶接も行ないます。アルミは表面に膜があり、溶接する際には一度その膜を剥がさなければなりません。
他にも、長さのある素材を溶接する際など、技術と柔軟性・臨機応変さが求められる溶接も行なっています。
5. 仕上げ
▲溶接完了後、グラインダにて溶接個所を仕上げ、検査待ち(左)
ダブルアクションにて、表面全体を目荒し(右)
素材によって対応が変わるため、材質によって担当者分けを行なっています。鉄の研磨に使用したグラインダをステンレスに使わない(錆が発生する)等、道具にも注意しています。
また、日本だと通常溶接した部分のみに仕上げを施すのですが、タイでは次の工程で塗料を塗りやすくするため、全体に仕上げ加工を施しています。
6. 検査
▲全数検査を行なう
仕上げ後は外観検査に加えて、溶接部分を手で触り、目では見えない凹凸がないかを繊細な触感で確認しています。
7. 塗装
▲下塗り完了後、目荒しを行ない、エアブローにてダスト除去
タイ・ローカル企業では対応が難しい、ブランド独自色などの塗装も対応が可能です。
日系大手工作機械メーカーの塗装等、注文に応じた指定色での塗装に対応しています。
難しい曲げ加工に挑戦して経験値を高め、技術を磨く
終わりなき『いなさ』のチャレンジ
難易度の高い曲げ加工の話をよくいただきます。
いなさは、積極的に難しい案件にも挑戦し、技術の蓄積をしていく事を財産と考えています。 基本的にはどんな加工でも挑戦します。『いなさチャレンジ』として、ご依頼いただいた仕事だけではなく、自発的に作品を作るなどして、高度な板金加工の技術力を上げていきたいと思っています。
▲優秀板金製品技能フェアのホームページより
日本で開催されている『優秀板金製品技能フェア』の受賞作品のような難しい加工に、
いなさは挑戦していきます!
最近のチャレンジ案件についても、今後の記事で改めてご紹介させていただきます。いなさでは、他社で断られてしまったような難しい加工も対応できるかもしれません。 板金加工に関わらず、組立だけ・塗装だけ等の案件も、お気軽にご相談ください。