2024年7月、FA機器の製造や販売を行うCKDタイコーポレーション(以下、CKDタイ)は、工場に自家消費型(PPA)太陽光発電サービスを導入した。
本サービス導入をサポートしたのがタイで太陽光発電システムの設置サービスを提供しているITCエネクス タイランド(以下、ITCエネクス)だ。
今回は、CKDタイにおける環境対策への取り組みと、ITCエネクスが手掛けた太陽光発電システム導入事例をご紹介する。
CKDは、自動化技術と流体制御技術を基盤に、50万アイテムを超える商品ラインナップを持ち、世界中のものづくりの現場を支えているものづくりメーカーだ。省エネに関連する商品ラインアップを持つことからも、グループ全体で環境対策や省エネの取り組みに積極的な企業だ。
タイ法人では年間電気使用量削減(CO2削減)目標を毎年設け、工場全体で目標達成に向けた施策を行っているという。さらに、2019年6月CKDグループ内でも最速でタイ工場に太陽光発電システムを導入しており、今回のPPAモデルは2021年に増床した新工場屋根に採用された新たな取り組みだ。
「CKDタイでは省エネ対策の一環として、工場でのコンプレッサー圧力の最適化やインバータ化、エアコンの省エネ化改善を実施しています。その他、廃棄資源の有価物化促進やウエスの再利用、デジタル化によるペーパーレスなど大小様々な取り組みを並行して進めています。
また、社内で部門対抗コンテストを定期的に開催し、現場スタッフからの具体的な改善提案を募ることでボトムアップ方式で環境施策を推進しています。
最もCO2削減効果の高い取り組みとして、工場の拡張にあわせて太陽光発電システムをPPAモデルで導入しました。太陽光発電システムの導入は、持続可能な未来に向けた重要なステップです」(CKDタイ 秦氏)
CKDタイ工場に導入した太陽光発電システム概要は以下の通りだ。
■太陽光パネル容量:461.680kW
■CO2削減見込み:年平均 279t削減
■購入系統電力削減見込み:年平均 24.2%削減
ITCエネクスとCKDタイは、2023年2月から導入に向けた相談を開始。PPAモデルを採用し、初期投資コストをかけない方法を選んだ。2024年7月より本格的な運用が開始している。
【ITCエネクスを選んだ理由】
「複数の企業から提供されたプランを比較検討した結果、ITCエネクスのプランが最もメリットがあると判断しました。特に、10年間という短期間で契約を完了できる点が決め手です。
日本では17年以上の長期契約が一般的であるなか、短期間の契約は、技術の進歩や市場の変動によるリスクを最小限に抑えるために非常に有効です。特にITCエネクスは、契約終了後の新技術への切り替えや、状況に応じた契約更新などにも対応しており、柔軟性が確保されています。
さらに、タイに現地法人があることで、日本人とタイ人の双方が緻密なコミュニケーションサポートを提供できる体制を整えています。異なる文化や言語の壁を越え、スムーズな運営を実現する上で重要な要素です」(CKDタイ 秦氏)
導入後は日々発電状況を確認、毎月のレポート共有と進捗の報告を行い、ITCエネクスが運用サポートをしている。工場稼働状況の変動などに応じて運用管理やアドバイス提供を行っていくという。
【今後の展望】
「2019年6月にタイで最初の工場に太陽光発電システムを導入して以来、年間平均531,600kWhを発電し、270トンのCO2削減を行って参りました。今回のプロジェクトも、その延長線上にある取り組みとして、製造における環境への配慮とエネルギー効率改善を追求し続け、持続可能な事業運営を実現していく考えです」(CKDタイ 秦氏)
ITCエネクスはCKDタイとの連携により、環境保護と事業の持続可能性を両立させる太陽光発電システムを導入した。初期投資を抑えつつ、CKDタイに適したPPAプランを策定、導入できたことでCKDタイの環境へのコミットメントを一層強化した。
今後もITCエネクスは、タイで信頼性の高い太陽光発電事業者として、企業の持続可能な成長を支援していく。
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