自動車・二輪車のクラッチメーカー株式会社エフ・シー・シーのタイ法人FCCタイランド(以下、FCCタイ)は、2024年11月から2つの工場で太陽光発電システムを運用している。
導入しているのは、ITCエネクス タイランド(以下、ITCエネクス)が提供する太陽光発電システムレンタルサービスだ。
本稿では、同社がITCエネクスのサービスを選んだ理由と導入後の効果について紹介する。
株式会社エフ・シー・シー(本社:静岡県)は、摩擦材の開発からクラッチの組立てまでを一貫生産するクラッチメーカーだ。有力な自動車メーカーに採用されると同時に、オートバイ用クラッチでは世界トップシェアを誇る。
海外拠点を含むグループ全体において、CO2排出量の削減・産業廃棄物の削減・環境汚染の防止など、地球環境に配慮した取り組みを積極的に行っている。タイ法人では、アマタ工場(24年11月)とラッカバン工場(24年12月)に大規模な太陽光発電システムを導入した。
他社と比較検討した結果、ITCエネクスの太陽光発電システムレンタルサービスに決めたという。
【ITCエネクスを選んだ理由】
参考:タイの法人向け太陽光発電|レンタル・PPA・自己投資を比較
FCCタイの事例では工場屋根を中心に、パネルが設置できる場所を最大限に活用した。導入後はアマタ工場・ラッカバン工場ともに導入前のシミュレーション数値を上回る発電量を達成している。
アマタ工場では将来的に生産拡大の計画があるため、電気需要も増加することを見越して大型のパネルを設置し、電気需要のうち40%以上を太陽光の電気でまかなえるようになり、大きなCO2削減および電気代削減効果を生むことに成功した。
アマタ工場での全需要に占める太陽光の割合(実績)
ラッカバン工場では電気需要が多いため、工場の屋根だけでなく駐車場の屋根も補強のうえ活用し、太陽光パネルを設置した。 これまでの実績では、工場稼働が導入前のシミュレーション作成時よりも多くなったことに伴い、発電量も増加した。タイでは余った太陽光の電力を電力会社が買い取る制度が無いため、使用状況に合わせて無駄なく発電できるシステムの設計がポイントだ。
ラッカバン工場でのシミュレーションと比較した発電量達成率
24年12月:112%
25年1月:116%
25年2月:108%
ITCエネクスを選んだきっかけは、初期費用が不要なことや発電量などの数値データだったとのことだが、FCC桜井氏は、プロジェクト開始後のサービス体制にいっそう信頼を寄せたと話す。
【ITCエネクスのサービスについて】