ジェイテクトマシンシステムタイランド(以下、JMSTH)は、2015年からタイで研削盤のオーバーホールサービスを提供しており、ここ数年で相談や実績が増えております。
昨今のタイ・モノづくり市場、特に自動車製造の分野においては、生産コスト削減や設備投資を控えるなどの動きが多くみられており、オーバーホールの需要が高まっています。
今回は、機械オーバーホールを進める際の具体的な手順とそのポイントについて解説していきます。
JMSTHのオーバーホールは、約20もの工程を経て行われます。
1:引合(お問い合わせ)
2:M/C 診断(機械診断)
機械診断を行い、修理箇所を推奨します。JMSTH 製の機械であれば、出荷時のデータと比較することでこの時点で状態評価が可能です。
3:打合せ
予算・納期・精度に応じて、どれくらいの修復改善を行うのか最適解をご提案します。
4:お見積り
5:仕様決定
6:機械引取り
7:分解
8:損傷確認
実際の機械を分解して、初期診断では発見できなかった内部の細かな損傷などがないか細かく確認します。
9:打合せ~最終お見積り
10:設計 &部品調達
オーバーホールの内容によっては、新たに図面を作成し、カスタムパーツやコンベヤシステム、電気部品の追加なども行います。
11:洗浄・塗装
分解した部品を洗浄し、再塗装や表面処理を施します。
12:組立
古い部品と新しい部品を慎重に組み合わせ、機械を再構築します。併せて“きさげ”による摺動面のミクロン単位の精度向上処理も同工程で行います。
13:電気配線
14:制御調整
制御システムの修繕を行った場合、機械がプログラム通りに動作するかを確認します。
15:試運転
機械が正しく作動するかをチェック。静的精度に重点を置き、指定された許容範囲内で動作することを確認します。
16:加工試験
お客様のワークで加工テストを行い、求める加工精度が確保できているか厳密にテストをします。
17:試験データ提出
18:立会(お客様確認)
機械の状態や精度を確認していただきます。安全性・環境への影響・サイクルタイム(生産速度)なども併せてチェックします。
19:出荷
20:納品
21:据付・精度調整
機械をお客様工場に設置し、精度を復帰させます。必要に応じて、オペレーター向けのトレーニングも実施します。
海外で機械のオーバーホールを行う場合、ほとんどの場合は日本(メーカー本社)に輸送して行うケースが多いですが、納期とコストがかかるため、お客様に負荷がかかるのが実情です。
JMSTHは、タイ・東南アジア現地で日本品質のオーバーホールを提供し、メーカーとしての製造責任を果たすことをモットーとしています。
機械の修理はもちろんのこと、「サイクルタイムを早めたい」「砥石を長持ちさせたい」などの現場の困りごとを解決するサポートにも積極的に取り組んでいます。
海外でも安心して長く使っていただくために、新規で購入いただいた機械は、必ず年に2回の機械の定期健診を行っております。これは中古で購入された場合も対象です。また、JMS製でない他メーカーの機械のオーバーホールにも対応している点も他社にはない強みと言えます。
お客様目線でのサービス向上と製造責任を全うすることがJMSTHのポリシーです。