当社がタイで2006年から開始した金属の表面改質事業。
日本では創業当時(1958年)から続く、長年の経験と実績を持つ部門です。
今年(2019年)新たに設備を導入することで、高周波焼き入れ焼き戻しや浸炭焼き入れ焼き戻し、そしてDLCコーティング加工をタイで強化していきます。
今回は、当社で行っている表面改質や当社ならではの強みをご紹介します。
ダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)の両方の炭素結合を併せ持ち、硬い炭素膜でコーティングをするDLC(ダイヤモンドライクカーボン)。当社が得意とする技術です。
2004年クラッチプレートへのDLC処理で量産をスタートさせ、その後、
自動車のウォーターポンプを生産する企業から、ステンレス製のシャフトの硬化処理の依頼がありました。
焼入れができないステンレスを硬化する技術は世の中に多くありません。
当社では、DCプラズマCVD法により硬い材質でできたロータにシャフトが負けないよう、まず下地処理として窒化処理を行いシャフト自体を強化。その後DLC膜を乗せ、高密着度のDLCコーティングで仕上げました。
お客様に喜んで頂いたこの案件をキッカケに、以降多くのDLCの依頼を頂くようになりました。
自動車産業をはじめ多くの分野で現調化が進み、タイでは益々この技術が必要になると考えています。
2019年10月に設備導入し、2020年に向けて量産化を実現します。
焼入れは、金属を一度高熱で加熱し、その後急冷して表面に硬化層を作ることです。
高周波焼入れは、コイルを使うことで部分的・局部的に焼入れをしたい場合に適しています。
当社では、3kHzから100 kHzまで幅広い周波数を使用することで、焼入れの深さを変えることができます。表層面だけに焼入れをしたい場合、逆に深く焼入れをしたい場合など、ご要望に応じた対応が可能です。
2019年3月に設備導入しており、年内中の量産化を目指しています。
焼入れをするには、その金属が炭素を持っていなければなりません。
炭素を持っていることで硬さを出すことができるのです。
浸炭焼き入れ焼き戻しは、炭素を持っていない部材に対し変態点以上に加熱して、表面に炭素を浸透させます。
その後、急冷させて硬化層を作り出します。
CNKでは、1つの大きなトレーに製品を入れて、トレーごと加熱・冷却を繰り返す「バッチ処理」で浸炭焼き入れ焼き戻しを行っています。しっかりと炭素を浸透させることで、耐摩耗性を高めることができます。
タイでは、高度な焼入れやDLCコーティングによる表面改質を行う業者はまだ多くありません。
当社は日本での長年の経験・実績をタイでも受け継ぎ、様々な選択肢から最適な方法を選び、高品質な表面改質を実現します。
表面改質でお困りの際は、当社までご相談下さい。
■担当者紹介
Production Advisor 橋富 弘幸
■タイでDLCコーティング、高周波焼入れ、浸炭焼き入れ焼き戻し等の加工をお探しの際は、お問合せフォームよりご連絡ください。