金属表面改質の最先端技術とは?
CNKマニュファクチュアリング(タイランド)(親会社:株式会社 CNK)は、ジェイテクト(JTEKT)グループ傘下でステアリング部品の製造や熱処理生産などを手掛ける、知る人ぞ知る熱処理加工のスペシャリスト。
機械装置や自動車部品生産に加え、タイ工場で待望となるDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティング事業が2020年の今期から本格始動する。
2月某日、本社から木村博人社長が、タイ東部ラヨーン県イースタンシーボード工業団地内にある自社工場を訪れ檄を飛ばした。
金属表面改質の最先端技術、DLCコーティングとは?
Diamond – Like Carbon
DLCコーティングは、ダイヤモンドと同様の炭素原子から構成された「硬質膜」で基材を覆う加工方法だ。
基材とDLC膜との中間膜を改良することで、密着力に優れた膜質が得られる。
また、中間膜の工法を変えることで、低温、高温の2種類のコーティングが可能。低温DLCは200℃程度の処理温度で、焼入部材の硬度を損なわない被膜処理ができる。
鋼以外の非鉄(アルミ・銅)材料にも適用可能だ。
DLCの5つの特長
- 1 低摩擦係数である。特に無潤滑環境下において、他被膜より優れる
- 2 硬度がHV1,000~3,000で耐摩擦性に優れる
- 3 焼付き荷重の相対値が高く、耐焼付き性にも優れる
- 4 相手攻撃性が低いので相手材の摩擦を抑制する
- 5 低温DLCは、平滑な膜で基材の面粗さを変化させない
DLCコーティング技術の将来性はいかに?
DLCコーティングは、タイではほとんど目にすることのない高度な技術だ。
表面が改質された金属は表面強度が増し、色彩や光沢が鮮やかになるばかりか、摩擦抵抗が大幅に低減され、耐摩耗性が格段に向上する。高い耐久性が求められる自動車部品に最適なコーティング方法だ。
CNKはその技術を自社で生産する自動車部品に、あるいは受託生産部品に施す。
事業化には1年を費やした。安定した品質を提供し続けることができるのか?はたまた市場ニーズはあるのか?採算性は?安全性の確保は?さまざまな試行錯誤を繰り返えした。
DLCコーティングは、自動車部品に止まらず、航空宇宙、医療機器など、広範囲に応用可能だ。
本社・木村社長は、「我々が予想もしていないような新たな市場がきっと形成される」と未来を見据えている。
【木村社長プロフィール】
1982年、株式会社ジェイテクト(旧・光洋精工株式会社)に入社。ベアリングやステアリング、工作機器などの部門を経て、1997年~2000年までアメリカ駐在。品質保証担当の執行役員を務めた。2016年、CNKに転じて社長に就任した。
■CNKマニュファクチュアリング(タイランド)
・表面改質(熱処理、コーティング)
・自動車部品加工(ラックシャフト)
・機械装置製造(オートローダー)
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