DLCコーティング「PIGプラズマ方式(低温処理)」
CNKタイで初の量産開始
15/10/2024
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橋爪 誠 Production Coordinator

2020年から本格始動したCNKマニュファクチュアリング(タイランド)(以下、CNKタイ)のDLCコーティング事業において、2023年より「PIGプラズマ処理」の量産が開始しました。日本を含めたCNKグループの実績の中でも初の二輪車部品での採用であり、今後のタイでのDLC技術拡販にむけた大きな一歩となりました。
今回は、DLCコーティングの種類や、各特長などについてご紹介していきます。


低温処理に対応したPIGプラズマ処理
多種多様な材質へのDLCコーティングが可能に

DLCコーティングは、高硬度・絶縁性・耐摩耗性・摺動性向上などの機能面だけでなく、加工によって生まれる黒色や光沢などの意匠面もその特長の1つです。DLCコーティングには大きく分けて以下2つの手法があります。

【DCプラズマ方式(高温処理対応)】
表面に窒化処理を施してから高温で処理を行う

DLCコーティング DCプラズマ CNK タイ

DLCコーティング DCプラズマ CNK タイ

▲ DCプラズマ方式加工装置(成膜温度~600℃/有効寸法Φ500×1000)

<特長>
・付き回り性が優れている
・高密着性のダイヤモンド膜を成膜できる
・高速成膜可能

【PIGプラズマ方式(低温処理対応)】
下地にクロムをつけることで加工が剝がれにくく、DCよりも低温での処理が可能

DLCコーティング PIGプラズマ CNK タイ

DLCコーティング PIGプラズマ CNK タイ

▲ PIGプラズマ方式加工装置(成膜温度~250℃/有効寸法Φ600×500)

<特長>
・低温処理により、DC方式より多種多様な材質に加工できる
・硬度、膜質可変
・アーク跡が発生しづらい
・高真空処理により放電が安定しやすい

お客様からDLC加工のご要望をいただいた場合には、製品素材や加工条件、希望する意匠などを確認し、最適な手法をご提案しています。


DLCコーティングは機能だけでなくデザインも特長
高級感のある黒色と機能性を兼ね備える

今回のタイでのPIG方式採用において、お客様から最も評価された点は意匠(デザイン)面でした。DLC加工特有の光沢のある黒色の見栄えの美しさと高級感が他の表面処理ではなかなか表現できなかったそうです。一般的に、表面処理を重ねると耐摩耗性が下がり、高温に弱くなっていくため、今回のケースでは低温処理が可能なPIG方式が最適でした。

DLC加工 タイ CNK

DLC加工 タイ CNK

▲光沢感が特徴的なPIG方式による表面加工

また、お客様に対して実際の加工現場や加工装置を全て確認いただき、当社の品質に納得いただけたことも受注につながった秘訣と考えています。

DLCコーティングは、加工によって絶縁性が高まるため、EV部品や電子部品などにも最適です。その他、防錆性やデザインの特異性を活かして住宅資材・設備、釣り具、注射針など幅広い業種での需要が期待できます。
実際のお客様の部品によるテスト加工にも随時対応しています。
業界、業種問わず最適な加工法のご提案が可能です。タイ国内でのDLCコーティングをご検討の方方は、まずは当社にお問合せ下さい。


▲CNKタイ スタッフ一部

橋爪 誠 Makoto Hashizume
Production Coordinator

2013年 株式会社CNK入社
主に熱処理生産技術として生産設備の立ち上げ等を経験
2021年 タイ法人へ赴任 
営業&製造現場の監督コーディネートを担当


タイでDLCコーティングをはじめとする熱処理・表面改質技術をお探しの方は、以下お問合せフォームよりご連絡ください。

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