測定データから製品の復元、パーツの図面化を実現する優れたリバースエンジニアリング技術をタイで提供
28/10/2024
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川端 竜介President

「製品や金型の現物から図面を復元したい」
「実際の製品と図面データが正しいかどうかわからない」

昨今、タイでもこのようなご相談を受けることが多くなりました。

当社KGK エンジニアリングタイ(以下、KGK)では、そのような問題を解決すべく、タイで『リバースエンジニアリング』の技術提供を行っています。今回は、協業先であるナリムネ・テクノエンジニアリング(タイランド)(以下、ナリムネ)の技術力とサービスについてご紹介していきます。

タイにおけるデジタルエンジニアリングの先駆者

ナリムネは、自動車部品などの試作部品を製造する成宗製作所のタイ法人で、本社で使用する製品の設計・CADなどのデータ作成を主に行う目的で設立されました。
タイでは、ノギスによる測定が主流だった2001年当時に、いち早くスキャニングの普及活動を始めており、タイにおけるリバースエンジニアリングの先駆者でもあります。 今回ご紹介するリバースエンジニアリングだけでなく、高精度なデジタルエンジニアリングサービスを総合的に提供できるタイでは希少なメーカーです。


3Dエンジニアリング 金型 タイ ナリムネ

▲ナリムネで提供している各種3Dエンジニアリングサービス

推奨したいリバースエンジニアリングの活用用途

タイのモノづくり現場にむけて、特に推奨したいリバースエンジニアリング活用用途は主に以下3つです。

1)現物からデータを図面化
高品質な製品づくりのために、製造過程で仕様に変更が入ることは珍しくありません。しかし、その製品をタイで製造する際、サンプル品しか情報がなく、変更後の図面がないこともしばしば。 このような場合に、サンプルをスキャンニングしてデータを抽出し、新たに図面を作成することが可能です。

2)図面と製品の相違点の検証
例えば、最初に日本で図面作成と製品製造を行い、それを元にタイの工場で製造依頼した場合、品質の違いで同じ製品がつくれないことがあります。 リバースエンジニアリングを活用することで、原因となる細かな相違点を見つけることができます。

3)図面データや金型・部品のバックアップ
金型や機械の部品などには寿命があります。あらかじめこれらのデータをバックアップしておくことで、迅速な対応が可能になる。特に古いモデルの金型の場合は在庫がないことも多く、すぐに代替品を用意できないケースも少なくありません。そのため、データだけでなく現物も保有しておくことが推奨されるのです。

「現在、タイでは1の現物からのデータコピーや復元用途が主流ですが、今後は品質向上や製品開発などに役立てる『解析』分野を伸ばしていきたいのです。解析ができる技術者がタイで増えることによってタイのモノづくり産業そのものの品質底上げができるでしょう。そういった意味で、当社ではお客様への技術提供だけでなく、人材育成にも力を入れています。現在、タイ人エンジニアは20名弱在おり、高度な知識や技術を有しています」
(ナリムネ鈴木氏)


測定・設計・モデリングをワンストップで提供
長年の蓄積データを活かした3Dエンジニアリングサービス

ナリムネが提供する3Dエンジニアリングサービス(リバースエンジニアリング)には、以下のような強みがあります。

<ナリムネのリバースエンジニアリングはココが違う!>
✔ 高精度な計測技術・設計力・モデリング技術をワンストップで提供できる
✔ 長年にわたる経験実績に基づく豊富な蓄積データを保有
✔ 日本と同等レベルの技術を持つタイ人エンジニア
✔ データに対して厳しい品質チェックを行い、高精度を保証
✔ 顧客が求めるデータ活用に応じた適切な提案

リバースエンジニアリング 金型 タイ ナリムネ

▲ナリムネで行っているデータの品質チェック項目例

「リバースエンジニアリングの要は計測です。当社は計測技術に自信を持っていますので、その証明として重要な項目についてはチェックリストを作成し、提出しています。基本的に、データ解析は半日ですべて終わらせます。問題があればお客様にすぐにフィードバックすると同時に、どこを改善すればいいかを提案しています」(ナリムネ鈴木氏)

エラーが出るポイントをあらかじめ予測し、正確に指摘できるのは、これまでの経験と実績が あってこそです。今後も、当社KGKとナリムネは、相互に協力し合いながらタイのモノづくりの品質レベルの底上げに貢献していきます。


▲左からKGK川端、ナリムネ鈴木氏、ソンヴァット氏


Narimune Techno Engineering (Thailand) Co., Ltd.

2001年にタイ進出し、主にデジタルエンジニアリング業務(3Dモデリング・リバースモデリング・設計支援)などを行っている。測定においても高い技術と知見を有しており、オフィスには測定機器メーカーミツトヨと共同開発した測定ショールームを構えている。現在16名のタイ人エンジニアが在籍。

リバースエンジニアリング ナリムネ タイ

▲ミツトヨとのコラボショールーム

Narimune Techno Engineering (Thailand) Co., Ltd.
Chairman and CEO
鈴木 嘉雄 Yoshio Suzuki

大学卒業後、医科大学や大学医学部での勤務を経て、
1985年 株式会社 成宗製作所 入社
1998年 KAST THAILAND社を設立し、副社長就任
1999年 株式会社成宗製作所の代表取締役に就任
2001年 Narimune Techno Engineering (Thailand) Co., Ltd.設立、代表取締役社長に就任
2021年 株式会社 成宗製作所の代表取締役会長に就任
現在は日本法人・タイ法人2社の会長とCEOを兼務している

Managing Director
Songvut Bumrungkhet


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