近畿日本鉄道を親会社とする国際総合物流企業「近鉄エクスプレス」のタイ現地法人KWE-Kintetsu World Express (Thailand) Co.,Ltd.の社長に2019年5月付けで就任しました山下 晋です。
製造業を中心に厳しい景気低迷の中での着任となりましたが、東南アジアのハブというタイのポテンシャルを十分に活かした発想力と営業力で、新たなサービスの提供に努めてまいります。
タイは近年、製造業の拠点として存在感を高めている
私は今回が3回目のタイ赴任となりますが前回の勤務からは7年ぶりとなります。
この間、タイを取り巻く環境は大きく変わりました。製造業の拠点としても、国際観光都市としても、タイはその存在感を着実に向上させていると感じます。
また社会が成熟し、サービスや消費、労働に対する考え方もより先進的となりました。それは質の高い消費者や労働者を生み出す一方、物価の上昇や賃金の引き上げも招いています。社会や産業の基礎が大きく変革を遂げた数年といえるのではないでしょうか。
グローバル企業・新規企業などが東南アジア・タイへ続々とシフト
米中貿易戦争を発端とする世界的な景気低迷の影響を受け、景気が減速している昨今のタイですが、多くの産業が集積し、また着実に成長を遂げてきたタイの産業基盤は底堅く、いずれ回復基調に転じる時がきます。その時に何ができるかを我々は常に考えていかなければなりません。今は我慢の時でも、その先の未来を常時模索していく責務が我々にはあります。
その一つとして例えば、米中貿易戦争等に端を発した中国から東南アジアへの生産拠点のシフトが挙げられます。すでにタイに拠点を持つグローバル企業はもとより、中国からの移転を考えている多くの企業が移転先の一つとしてタイを目指してくるものと考えます。
その動きはすでに始まっており、こうした新たな市場の波にどう対応していくかが試されています。
KWEは航空貨物輸送、海上貨物輸送のコラボレーション強化で、より柔軟なサービス体制へ
こうした流れに対応するために、当社では営業組織の見直しに取り組んでいます。
航空貨物輸送、海上貨物輸送と、これまでは各輸送モード毎に分かれていた営業部隊を1つの営業組織として社内体制の見直しを行います。これまで縦割りだった営業組織に横串を通すことにより組織力・営業力の強化を図ります。そうすることでお客様への提案力も更に強化できると考えます。
前回赴任時の2005年頃は、まだシンガポールやマレーシアが東南アジアのハブや製造拠点として一歩も二歩も抜きん出ていたように思われます。それがこの数年でタイは製造業を中心に東南アジアで確かな地位を占めるまでとなりました。
問われているのはこれから先のタイ市場のあり方です。当社が物流の分野で、その一翼になることができれば、こんなに嬉しいことはありません。
山下晋Presidentプロフィール:
1994年入社。半導体などの輸入畑を主に歩く。タイには研修生時代と営業担当の2度にわたり赴任した。19年5月、現法社長に就任。趣味はランニング。先のバンコクマラソンにも出場した。20年1月にはアユタヤで開催される駅伝大会にもKWEチームとしてスタッフとともに参加の予定。
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