大手国際総合物流企業「近鉄エクスプレス」のタイ法人、KWE-KINTETSU WORLD EXPRESS THAILAND CO., LTD.(KWEタイランド)は、タイで新たな北米向け超緊急輸送サービス「US24」をこのほどスタートさせた。米中部のシカゴと同西部のロサンゼルスにバンコクから24時間以内に荷を届けるというもので、これまで通関に不安の残るハンドキャリーが担ってきた市場を代替する。しかも、費用を抑えたことで使いやすさも増した。新たな取り組みは物流市場のカンフル剤としての役割も期待されている
■北米向け緊急輸送サービス「US24」詳細ページ作成中!
US24は、バンコク発の一般旅客機のバルク室を活用する。1フライトあたり約1.5立米のスペースについて同社が優先的に使用できるスペースを航空会社と調整した。同スペースは、離陸直前まで荷を受け入れることができ、到着後は真っ先に荷下ろしされる場所。これにより、最大限の荷の受け入れ時間を確保。自動車部品、電子部品といった工業用部品や医療機器、イベント商品など緊急性の高い輸送物資を短時間で届けることが可能となった。
現時点での運行は、シカゴ行きがバンコクを深夜に発ち、現地時間の同日早朝に到着するスケジュール。所要時間は約22時間を見込む。一方、ロサンゼルス行きはバンコクを午前中に発ち、現地時間の同日夕方に到着する。所要時間は約23時間。いずれも輸送先の現地空港では、同社グループ米国法人の担当者が、通関、配送などの手配に当たる。荷主の負担も軽くて済む。
KWEタイランドが新サービスを開始したのは、クリスマス商戦や年末商戦などが重なるピークシーズン(9月~12月)を中心に超緊急輸送のニーズが高かったことから。「お客様のご期待にお応えするためにも、新たなプレミアムサービスを創出する責務があった」とこのサービスを開発した同社の石森淳一氏は述懐する。新サービスは半年ほどをかけて開発。9月下旬に第1便を送り出して以降、これまで多くの照会を得ているという。
出航は毎日。信頼できる航空会社を活用するため、将来的に見込まれる遅延も最小限度に収まる見通しだ。バルク室のドアのサイズは91センチ×114センチで、1個当たりの荷物のサイズは大人が持てる程度とあって出発直前のギリギリに持ち込むことも可能だ。何よりも、費用が高額で、荷物への制限もあったハンドキャリーに頼らなくて良い点が嬉しい。
同社では超緊急輸送に対応するほか、新サービスの導入をきっかけに、これまで取り引きのなかった荷主とのマッチングの機会を増やしていきたいとする。アジア-北米航路は、国際物流の中でも成長著しい有望路線で、多くの企業が嘱望する。新たなニーズの掘り起こしにもつながると見る。
「北米ビジネスは当社の重要な戦略の一つ。顧客ニーズをしっかりとつかんだ取り組みを今後も続けていきたい」と社長の谷康行氏は語る。国際航空運輸協会(IATA)加盟のタイ航空業界で、2017年の航空貨物取引額が初めて1位となった同社。さらなる飛躍の一年としていく決意だ。
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