近鉄エクスプレスのタイ法人、KWE-Kintetsu World Express Thailand(KWEタイランド)は航空、海上のフォワーディング事業の強化を進めている。そして、直近で発表されたタイにおける2017年の航空輸出実績(CASS貨物運賃精算システム)で、初の首位となった。海上では18年にトップ10入りを目指し着実に実績を積み上げており、2018年10月度では7位と着実にシェアをあげている。
KWEタイランドの航空輸出事業のCASSランキングは13年が13位、14年が11位、15年が6位、16年が2位、そして17年が1位となった。KWEグループ全体でフォワーディング事業強化を進める中で、TPEB(アジア発北米向けトランスパシフィックイーストバウンド)の物量増へも取り組み、成果をあげている。また、15年から開始しているバンコクにゲートウェー機能を持たせたサービス「BKK Gateway Service」も定着し、実績を支えた。
同社は、長距離輸送となるTPEBやBKK Gateway Serviceの実績が積み上がったことで1位になったと考えており、18年も1位の維持を狙っている。
BKK Gateway Serviceとは、ASEAN各国の貨物をバンコクに集め、北米に向けて大量一括輸送するサービス。航空会社とタイアップで進めているため、ピークシーズンなどスペース確保が難しい時期でも、北米向けに3日で確実に輸送可能。月平均の貨物取扱量は500~600トンで、主に特定顧客が利用している。
東南アジア発の運賃水準は、中国・香港発北米向けに比べれば低いが、荷主から見れば「高止まり」の状況だ。最近は日本発の荷動きが活発化した影響も受け、航空会社、フォワーダーともに、相対的に運賃水準が低い、東南アジア発にスペースを振り分けづらくなっている。そのため、しっかりと安定したスペースを提供できるBKK Gateway Serviceが評価されている。
海上では、米国のデータマインの北米向け集計で、15年が38位、16年が34位、17年が18位と順位を上げている。16年から北米向けキャンペーンを開始して実績を積み上げており、2018年10月単体で7位となった。今後も引き続きシェア拡大を図っていく。
航空、海上ともに顧客の7割は日系が占めるが、欧米やアジアの非日系顧客の開拓も進めていく。その一環として中国系顧客の動向を注視している。
タイ政府は、産業高度化の「タイランド4.0」の中心的な政策として、バンコク東部のチョンブリ県、ラヨーン県、チャチェンサオ県にまたがる地域で経済特区EECの開発を進めていく方針を打ち出している。スワンナプーム空港、ドンムアン空港、ウタバオ空港の3空港を鉄道で結ぶ計画や、レムチャバン港の拡張政策などインフラ整備に注目が集まるなど、今後の拠点展開としてはよりバンコク南東部を考えていく必要もあると同社は考えている。
また、この1、2年はBOI(タイ投資委員会)が認めた案件は中国、香港系も多い。今後3~5年後を見据えて、中華系へのアプローチを考えていく必要があると考えており、中国法人とも連携を強化している。
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