協和NT(タイランド)の精密加工部品の製造工程で欠かせないのが、部品のバリ取りやワークの洗浄過程など、様々なシーンで使用される工業用ブラシです。
この工業用ブラシ、「複雑構造の部品に発生するバリは、汎用品だけでは取り切れない場合がある」 とおっしゃるのが、同社に特注ブラシを納めている ステイト工業(タイランド)の中根 利治社長。
アユタヤにある協和NT(タイランド)の工場を訪問されたステイト工業(タイランド)・中根社長と、協和NT(タイランド)・両角社長に話をお聞きしました。
▲ ステイト工業(タイランド)中根社長(右)と、協和NT(タイランド)両角社長(左)
— ステイト工業は、日本を代表するブラシメーカーとしてあらゆる業界で使用されている工業用のブラシを作られているそうですが、どのようなラインナップをお持ちですか?
中根社長:ステイト工業は1970年の創業で、タイには2010年に進出し、ステイト工業(タイランド)/STATE INDUSTRY (THAILAND) CO.,LTD. を設立しました。
当社は日本での創業以来、様々な用途に使われるブラシの製造販売を行っていますが、主力製品の工業用ブラシは、自動車や電子機器などの金属加工部品のバリ取りや洗浄工程などで、なくてはならないツールとなっています。
工業用ブラシには、バリ取り/表面研磨/洗浄/清掃/艶出しといった用途に使用するカップブラシ、鉄板や硝子の洗浄/コンベアーの払い/バリ取り用のロールブラシ、小径穴等の内面・交差部等のバリ取り/研磨/洗浄/清掃に使用するネジリブラシなど、実にたくさんの種類があるのですが、当社の工業用ブラシの一番の特長は、お客様の用途に合わせてお作りする特注品だということです。
▲ 左上から時計回りに『エンドブラシ』『コイルブラシ』『ネジリブラシ』『ホイールブラシ』
▶︎ ステイト工業の工業用ブラシカタログ(日本語版)は コチラ
中根社長:協和NT(タイランド)さんに納品しているブラシもそうですが、当社のブラシの 99 %が特注品で、お客様が使っている設備、工程、部品の形状などに合わせた仕様で設計・製作しています。
— ブラシといえば、中国製などたくさんの種類が市場に出回っていると思いますが、他社製品と比べて何が違うのでしょう?
中根社長:ステイト工業のブラシは、お客様にヒアリングすることからスタートして、用途に合った仕様のブラシの提案・設計・試作・トライアルを行い、最良の結果でお客様が納得された製品を納品します。
仕様面に関しても、消耗品として継続購入していただくため、可能な限りコストが下がる仕様を提案しております。
ブラシに使われる素材は、ナイロンやポリエステルなどの一般化学繊維、ダイヤやシリコンカーバイトの粒を使った研磨砥粒入りのもの、ステンレスや銅線などを使った金属線ブラシなど様々ですが、ブラシの形状同様に、お客様の用途に合わせて使用条件の提案およびブラシの設計を行っております。
両角社長:協和NT(タイランド)の設備に使われているステイト工業さんのブラシは、他社製品と比べて持ちが良く、バリの取れ具合も良いです。中根社長に使用目的を話すと、確実に当社が求めているものを作ってくれます。
当社では、ラインの中でバリ取りを行いますが、100 % バリを取らないと大きな問題になってしまいます。その点、経験豊富なステイト工業(タイランド)さんがタイで作るブラシは、安心して使うことができますね。
— ステイト工業(タイランド)では、交換可能なタイプのブラシを開発されていると伺いました。
中根社長: ブラシは消耗品なので、基本的に使い捨てなんですね。でも、毛の部分がダメになっても、そこだけ交換できるカートリッジ式にすれば、資源の無駄にならずに済み、さらに製造コストも下げることができます。
両角社長:ブラシの単価が下がれば、当社の製品の製造コストにも当然反映されます。それにカートリッジ式になると、交換の手間も省けそうですね。
ステイト工業さんと中根社長には、これからも当社が使うブラシの製作をよろしくお願いします。