マエカワ(タイランド)は、産業用冷凍コンプレッサー、食品工場向けフリーザー、食肉加工ロボットなどの製造・販売を行う専業メーカーである。また、冷凍・冷却システムの設計・施工も手掛けている。
今回は、マエカワ(タイランド)による冷凍・冷却システム用の電気・制御システムの設計・施工の事例をご紹介する。
高品質な鶏肉加工製品の製造を行うTHAI FOODS GROUPのTHAIFOODS FURTHER COMPANY LIMITED.を取材した。
ユーザーの求める信頼性と安定性
冷凍・冷却システムを作動させる上で制御システムは重要だ。当然、ユーザーは、信頼性・安定性の高いシステムを求める。
THAIFOODS FURTHERは2017年からマエカワの冷凍・冷却システムを導入している。
マエカワは、電気制御盤の設計からプログラミング、お客様の工場での設備施工、機械の運転試験など一気通貫対応で導入を行った。
▲ THAIFOODS FURTHERの機械室内部
同システムは、PLCおよびHMIを用いて設計され、機械の運転状況やシステム全体の状態がよく見えるものとなっている。システムの運転状態・運転データ・警報確認・作動設定などが全てHMIによる管理が可能で、運転制御のしやすい最新のシステムとなっている。
またSCADAも使用し、冷却システムがより管理しやすくなるようアシストしている。運転データの監視や記録を行い、これらのデータを使っての作業効率の改善や機械のメインテナンスが可能だ。さらに、インターネットに接続すれば、SCADAからLINEやeメールで作業者にメッセージや警報を送ることができる。
▲ SCADAを使えばLINEで作業者に警報を送ることが可能
スクリューコンプレッサーの最適な制御を実現するMYPRO-TOUCH
▲ マエカワのスクリューコンプレッサー
マエカワのスクリューコンプレッサーユニットには、自社開発のマイクロプロセッサ―制御パネル『MYPRO –TOUCH』が搭載され、コンプレッサーの運転制御をしている。『MYPRO –TOUCH』にはタッチパネル方式が採用され、アイコンによる直感的な操作を可能だ。冷却負荷変動にコンプレッサーのキャパシティーを追従させ、最適な制御を実現する。
< MYPRO-TOUCH主な特長>
✔ VFDを使用した場合の回転速度を制御
✔ 機械の異常警報を検知
✔ データ記録、遠隔モニタリング等の機能
✔ PLCでのModbus通信が可能
✔ MYPROコントロールパネルとPLCおよびSCADAとの通信により、HMIまたはSCADAで運転データの確認が可能
▲ スクリューコンプレッサーのMYPRO-TOUCHコントロールパネル
経験豊富な電気エンジニアを擁し、安全性・信頼性の高いシステムを安定的に提供
マエカワの強みは、お客様のトラブル解決に即対応できるスピーディーなアフターサービスだ。システムの作動状態の確認はSCADAを通じて可能となり、システム停止のリスクを未然に防ぐ。
▲ スピーディーに対応するマエカワのエンジニアチーム
マエカワの電気エンジニアは全員、制御システム、特に冷却システムに精通し、電気設備設計、施工、作動試験の対応が可能だ。それにより安全性・信頼性の高いシステムを安定的に提供することができている。 また、お客様向けにトラブル解決方法を含む理論・実務研修を行い、初歩的なトラブルであればユーザーが自ら解決できるようにサポートしている。
2023年、マエカワ(タイランド)は設立35周年を迎える。これからもユーザーにとって使用しやすいシステムの開発に邁進していく。
▲ マエカワの電気エンジニアチーム
協力:THAIFOODS FURTHER COMPANY LIMITED