タイの部品加工メーカーACA INDUSTRIAL TOOLSでは、マザックの工作機械16台を使用し、様々な業種向けの部品加工を行っている。今回は、同社でのマザック機の活用事例や導入のメリットについてご紹介する。
2002年に設立されたACA INDUSTRIAL TOOLS(以下、ACA)は、タイで20年以上にわたって部品加工を行っている。設計から旋盤加工・フライス加工・放電加工・研磨・溶接などをワンストップで提供できるのが強みだ。
ACAは、設計から加工までワンストップで大小様々な形状の部品加工に対応するために、マザックの工作機械を16台導入している。優れた加工能力を持つマザックの機械によって加工時間の短縮や高能率な切りくず排出量(Material Removal Rate : MRR)を実現しているという。
マザックの機械を導入するきっかけは、工場の生産量の増加だ。
設立当初は、中古機械を使用していたが、経年していくにつれて製造効率・生産能力・加工スピードの面で問題が生じ、新品の機械導入を検討していた。
中でも、マザックは業界内でも知名度や信頼性が高いブランドという点から、現在INTEGREX等の複合加工機を含む16台ものマザックの工作機械を導入している。
【現在ACA が導入しているマザックの工作機械】
■ INTEGREX i-450H
■ VARIAXIS i-600
■ QUICK TURN 100 SG
■ VERTICAL CENTER NEXUS 410A- II HS
■ QUICK TURN SMART 150 S
■ QUICK TURN NEXUS 150
■ QUICK TURN 350
■ MEGA TURN NEXUS 900
■ VERTICAL CENTER NEXUS 510C- II HS
INTEGREXは複合加工機で、旋盤加工とフライス加工が1台でできるだけでなく、同時5軸加工が可能だ。段取り工程を削減でき、サイクルタイム短縮を叶える。さらに、15モデルもの幅広いラインアップを揃えており、多様なワークサイズ、アプリケーションに対応できる。
VARIAXISは立型5軸マシニングセンタで、一度の段取りで複数面のフライス加工を実現する。チルトテーブルの傾斜は-120度〜30度まで、パレットは360度の回転が可能。工程集約、段取り時間の削減によりサイクルタイムの短縮に貢献する。
また、対話式CNCプログラム「MAZATROL」によってプログラム作成から加工開始まで短時間で行える点もACAの生産効率が向上している要因の1つだ。
「マザックの機械を採用した理由は、お客様から求められる高精度加工に対応していくためです。加工寸法・穴あけピッチ・幾何公差などを厳密にコントロールする必要がありますが、マザックの機械を使うことで高精度な部品をつくりあげることができます」(ACAアッタノン氏)
ACAは精密かつスピーディーに加工ができるマザックの機械によって、切りくず排出量を上げることができている。それにより、不良品の低減に成功し、製造コスト全体の削減によって生産効率が改善できているという。
機械操作性の面では、MAZATROLプログラムによって作業者が簡単に加工プログラムの作成ができるようになった。安全性のみならず、切り込み量・回転数・送り速度などを自動設定することによって加工におけるエラーの削減を実現している。
アフターサービスの対応も迅速だ。突発的なトラブル発生時の対応や、操作に関するアドバイス提供など、マザックのスピーディーな対応により、ダウンタイムを極力なくすことができている。
また、マザックの機械は耐久性が非常に高く、ACAでは約19年機械を使用しているなかで大きな故障トラブルは1度も発生していないという。
マザックタイのテクノロジーセンターでは、最新アプリケーションの展示のほかに実機を用いたワークの加工テストや機械操作のトレーニングなど、機械ユーザーをサポートするソリューションを提供している。
「工場にとって加工機械の購入は大きな投資です。どんな機械を選択するかは自社の使用用途やニーズを精査して検討する必要があります。しかし、どんな機械が必要な場合でも、マザックの機械は様々な需要にマルチ応えることができる製品だと感じています。実際に機械を使用しているユーザーとして、マザックは部品加工に大変おすすめできる工作機械です」(ACAアッタノン氏)
取材協力:ACA INDUSTRIAL TOOLS
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