ベアリングやバネ類といった工業製品から医療機器、各種民生品までさまざまな用途に使用される産業用研削砥石をタイで製造販売しているのが、「三井研削砥石株式会社」の現地法人である当社「MITSUI GRINDING TECHNOLOGY (THAILAND) CO.,LTD.」です。
これまで自動車や電機電子関連の市場を中心に研削砥石を供給してまいりましたが、事業の多様化が必要であると判断し、7年ほど前から新たにタイの主要産業である精米市場への進出を検討していました。
現在、試作品をいくつかの精米工場でテスト運用していただいております。本日は、この新規事業について紹介します。
精米事業への進出は、タイにおける総代理店企業「Mitsuya Limited.」(ミツヤ社)の営業担当者の“思い”がきっかけとなりました。当社は、日本同様の高品質・高精度のタイ製研削砥石で知られ、その研磨レベルは市場から高い評価を受けております。
その高性能な技術を、タイの総人口の4割が従事する稲作に役立てることができないか。そんな素朴な思いから始まりました。
まず、市場を調査すると、タイ国内において研削砥石を用いる工場向け縦型精米機が数多く稼働しており、その精米用の研削砥石は、私達が長年培ってきた製造技術を応用展開できることが分かりました。
当然ながら、金属材料を削るのとは訳が違い、手探りからの品質設計 および 製品試作ではありましたが、精米機メーカーや農家のご協力のもと開発が進み、現在では使い勝手や性能面で高い評価を頂いております。
タイで主要なインディカ米は、日本で消費されるジャポニカ米と異なり、粒が細長く、外圧などで折れやすいのが特徴です。これを折らずに、また旨味成分が凝縮された中央部を残す形で精米しなくてはなりません。それを実現するための開発に苦労を重ねてきました。
縦型精米機では、研削砥石を縦に5~8枚重ねて主軸に取り付け、回転する研削砥石と外壁カバーの隙間に玄米が通過する際に表面を研磨しています。 当社が持つ暦年の研磨技術をフル活用し、米粒に無理な負荷が掛からず、更に削りすぎずに、ちょうど良い仕上がりを実現しております。
従来機に比べ、炊いた時に旨味が膨らむのが特徴で、美味しいお米に仕上がります。これを使えば、旨味成分で若干劣るお米でも、十分に美味しく食べることができます。
とはいえ、まだまだコストやサポート面で既存製品となお大きな開きがあり、この点の改善が今後の課題となっています。タイの皆様に少しでも安価に提供できるよう、技術改善や生産コストの低減に向けて、今後も努力していく考えです。
私たちの技術が人々の食生活の向上に貢献する、こんなに嬉しいことはありません。
こらからも当社は研削砥石の技術で皆さまの生活をサポートしていきます。
当社の新規事業や既存の工業用研削砥石に関するお問合せは、下記のフォームよりご連絡ください。
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