生産設備や省力化設備、治具や部品を設計から製作までの一貫体制で手掛ける長井技研タイランド。同社の強みである日本品質を実現できている秘訣の1つとして、品質と日本人の考えを十分に理解した優秀な現場ローカルスタッフの存在がある。
彼らは、日本の製造現場での技能実習を経験しており、現場でのコミュニケーションや設計図、指示書に至るまでほとんど日本語で内容を理解できる。長井技研タイの約90%のローカルスタッフが技能実習生出身で、彼らは日本人顧客が求める細かな要望にスピーディーに対応できている。
今回は、長井技研タイランドが技能実習生採用に活用している、人材派遣会社『S.I. PLACEMENT CO., LTD.』(エス・アイ・プレイスメント)についてご紹介する。
エス・アイ・プレイスメント(以下、SIP)は、日本で主に金属加工業を営む株式会社 佐竹製作所を母体とするSATAKEグループに所属している。親会社の佐竹製作所は、2019年に外国人人事部を創設。SNSやWebサイトなどを活用し、タイ人を中心とした外国人労働者を募り、多数の採用実績をもつ。現在も、佐竹製作所山形工場の従業員の55%がタイ人だ。元々は、自社での採用を目的に技能実習経験者を集めていたが、採用のノウハウを生かして人材派遣会社「ファクトリーラボ」として事業化した。
SIPでは、「現在、日本で就業中で将来タイに帰国して就職を希望している人材」や「すでに日本からタイに帰国しており、タイ国内の日系企業への就職活動をしている人材」を中心に日系企業への仲介を行っている。
候補者の大半は、技能実習生として日本で就労経験があり、日本の技術や文化・仕事のやり方などを学んでいる。3年から5年間の実習の中でN4~N2レベルの日本語も身につけている。
1万人を超える膨大なデータベースの中から企業の要望にあった人材を即戦力として紹介できるのが最大の特長だ。