「たった一つの自動車部品に対しても、高品質や正確さを求める動きは今やワールドワイド。そのためには完成品の全数検査は欠かせません」。こう話すのは、バンコク近郊サムットプラカーン県にある検査機器等販売の「ナノ精密」の大石修寛Managing Director(MD)。これまで部品メーカーを中心に自動選別機器等の販売を行ってきましたが、近年市場の変化を強く体感し、以前より構想のあった「選別ハウス」の設置を決めたとのこと。自前での機器導入が難しい小規模事業所など向けに、本格的な請負検査事業をスタートさせたと聞き、サムライ編集部は同社に伺ってきました。
選別ハウスは、同社敷地内の一角に設置されました。計10数機の高速自動選別機「VIZION」や外観検査機「DECSYS」、組織検査機などが配置され、デモ機は常時展示・稼動しています。その傍らでは、スタッフの方々が請け負ったばかりの検査業務に励む姿もありました。「作業場でありながら、展示会場に近いイメージを心がけた」と大石MD。
生産工程内で不良品を出さない仕組みを構築してきた日本のモノづくり。これに対し、日本以外の生産現場では多少の品質の乱れや数量の違いはあっても、出荷前で不具合品を見つけて問題を起こさないという合理主義の物づくりを行なってきました。自工程完結を目指しながらも価格競争力を保ち、
品質も確保する、今やモノづくりもグローバルな時代。品質や数量の正確さなどが事後の生産工程に影響を与えることが理解され、次第に市場の流れは高品質を求め、数量を含む不具合を認めない方向へ。こうして必要とされるようになった出荷前の全数検査。その数は、部品によっては数百万、数千万にも達することもあります。
同社がタイにおける専属代理店契約を結ぶ台湾製の高速自動選別機「VIZION」は、1分間あたり300~800個の部品を自動選別することができます。選別ハウスに設置されたマシンだけでも、1日わずか8時間の稼動で10万超の検査が可能です。操業時間を延長し、稼動台数を増やせば、それ以上の検査需要にも応えることができます。
ターンテーブル上で最大4個のカメラが大小様々な被写体を捉え、3次元の検査を進めます。一つと出ない不具合と数量の正確さ。人間の目視では決してできない高品質な検査を機械が可能にしています。現在の需要は冷間鍛造部品が主ですが、プレス加工品や鋳物、焼結金属に加え、ゴムや樹脂といった素材の異なる部材の検査も可能です。
「これからこの分野は必ず大きく成長すると確信している」と大石MD。「そのためにもショールーム機能を持った、このようなデモ会場をどうしても作りたかった」とお話いただきました。
「1000万個の部品のうち不具合品が1つあっただけでも大変なこと。この世界では大事件なのです」。インタビュー中、大石MDが繰り返し使った「事件」という言葉。「あってはならないこと」「事件を起こさないために」。日本のモノづくりを育んできた職人としての誇りを感じました。
市場の変化やニーズに活路と可能性を見出したナノ精密が、新たな時代のタイのモノづくりを支えようとしています。
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