西居ファインプレスタイランド(以下、西居ファインプレス)は、真鍮・銅・鉄・アルミニウム・プラスチックなどの多種多様な金属の加工を行っている。
本稿では、品質第一をモットーとした同社の金属加工工程についてご紹介していく。
金属加工工程において、西居ファインプレスでは品質検査を重視している。
同社の強みは、後工程への不良品流出防止のために自社工程内で行う徹底した品質検査だ。したがって、西居ファインプレスの加工部品の品質は、タイの一流自動車メーカーより厚い信頼を獲得している。
加工工程は、
材料入荷(Material Incoming)
加工(Stamping & Die)
寸法検査(Dimension Check)
洗浄(Clean / Outsource)
外観検査(Visual Inspection)
配送(Pakcing & Delivery)
の全6工程から成り立っている。
1. 材料入荷(Material Incoming)
第一工程はパレットに積載された状態での材料入荷だ。従業員はランダムにサンプルを抽出し、「破損の有無」「材料の種類の正誤」などの規定項目に従い検査を行う。万が一破損があった場合、当該材料は混入防止のため、良品と分けて赤色ゾーンに保管される。
検査終了後、材料には検査に合格したことを示すラベルを貼り付ける。その後QC工程内において材料の再検査を行う。全検査工程終了後、トレーサビリティと先入れ先出し実現のため、システムに材料情報を登録する。
使用前の材料は専用の倉庫で保管しており、材料の損傷を防いで常に使用可能な状態を維持するため、保管庫内の湿度は50%未満に保たれている。また、材料を取り出しやすいよう材料ごとに保管場所が決められている。
2. 加工(Stamping & Die)
加工工程は、金属部品製造における要だ。規格に沿った高品質なワークを製造するため、工程開始前に材料および金型の検査を行う。その後、ワークの投入・排出位置の計測、加工を行う。ワーク加工後に寸法検査を行い、次工程に進む。不良品が発生した場合は、混入防止のために従業員が赤箱に投入する。
3. 寸法検査(Dimension Check)
加工済みワーク入手後、従業員は2D / 3D高解像度測定機能を備えた測定顕微鏡を使用し、ワークの寸法検査を行う。
4.洗浄(Clean / Outsource)
寸法検査合格後、超音波洗浄機を使用してワークの洗浄を行う。洗浄時間は5分間、温風乾燥は3分間に設定されている。
5. 外観検査(Visual Inspection)
外観検査前にマスターサンプルとCCDカメラを使用して日常検査を行い、機械精度を点検する。日常点検後、ワークの全数検査を行う。
6. 配送(Packing & Delivery)
万が一のNG発生などがあった場合に備えて、第一工程から情報追跡できるよう、配送前にワークにタグを貼付する。
「トレーサビリティシステム」を活用した高品質な製品納入と問題発生時の迅速な原因追及は、お客様からの信頼を獲得してきた西居ファインプレスのもう一つのモットーだ。
徹底した製造管理やトレーサビリティシステムの他、熟練スタッフの存在も西居ファインプレスの品質維持にとって必要不可欠な要素だ。
同社の品質管理(QC)、製造などの各部署に専門知識や技術を有した最長勤続15年の熟練技術者が在籍している。同社が顧客のニーズに基づき高品質な金属製品を提供することができる証となっているとも言える。また、注文受け入れの柔軟性も顧客から高く評価されているという。
これらの強みを充分に活かして、創業からお客様からの要望を丁寧にくみ取り、納期通りにワークを提供し続けているのだ。