2018年の出展以来、4年ぶりのMETALEX出展を果たしたタイ日東精工マシナリー。今回、初の単独ブース出展となった。コロナの影響で多少イベントの全体規模は縮小していたものの、ブースには230名を超える人が訪れたという。
注目製品として、来訪者の目を引いたのが、NITTOSEIKOが得意とする単軸ねじ締めユニットだ。
日東精工 単軸ねじ締めユニット
東南アジア向けエントリーモデル「TM513V」
今回展示した主な製品ラインアップは以下の通りである。
■UR搭載用ねじ締めユニット『PD400UR』
■単軸ねじ締めユニット「TM513V」
「TM513V」は、NITTOSEIKOの人気機種である『FM513VZ』をベースにタイ・東南アジア市場の自動機メーカ向けに仕様を変更している。
駆動方式にはサーボモータの代わりにエアシリンダを採用し、またPLC(制御装置)を省くことで、オリジナルモデルよりも価格を約2割ほど抑えている。それでありながら、複数の締付高さに対応可能な段差吸収や狭い場所のねじ締めも可能など、汎用性に優れたエントリーモデルだ。
・ねじ締めドライバに昇降部、チャック部、ビットなどをユニット化
・ねじ圧送式のため、ねじ取出し式よりもサイクルタイム短縮に貢献
・エア吸着によりスクリューガイド内にねじを保持
・狭い箇所、ザグリ穴、段差での締結に最適
・セット品のねじフィーダは3タイプから選択可
▲専用ホースを使ってエアでねじを飛ばしている
日東精工の自動ねじ締め機の強みは「ユニット化」
一般に自動ねじ締め機は、ねじを締める「ドライバ」「ビット」、ねじを保持する「チャック(キャッチャー)」「スクリューガイド(吸着パイプ)」、ねじを供給する「フィーダ」など複数の部分で構成されており、自動機メーカはそれぞれを設計・組立・調整する必要がある。これらをすべてひとつにまとめたものがNITTOSEIKOの単軸ねじ締めユニットだ。
ユニットとしての自動ねじ締め機の導入は、組立や設備設計の手間が省けるだけでなく、生産ラインに簡単に組み込めるなど、自動化が実現しやすいこともメリットになる。さらに仕上がりが均一でばらつきが出ないため、製品の品質向上や信頼にもつながる。
自動ねじ締め機そのものはタイでは決して珍しくはないが、それをユニット化して販売しているのはタイ日東精工マシナリーだけだ。タイ日東精工マシナリーでは、豊富な経験と実績を元に、お客様の要望に合わせた最適なカスタマイズや提案だけでなく、アフターサポートも手掛けている。
METALEX出展でつかめたタイ市場での需要と可能性
今回のMETALEXへの出展で、ユニットとしての単軸ねじ締め機がまだタイ・東南アジア市場には浸透していないと同時に、販売拡大の可能性が充分にあることを感じたと高見MDは語る。
「タイにおける単軸ねじ締めユニットの納品実績として、主に自動車部品や家電メーカーなどがありますが、まだ一部にしかすぎません。今後さらに製品を普及させるために、日本製の押し売りをするのではなく、東南アジア市場に向けた手頃な価格のアジアンモデルをいち早く確立し、より多くの人に喜んでもらえる機械を提供していきたいです」(タイ日東精工 高見氏)
タイ日東精工マシナリーは、これからも単軸ねじ締め機ユニットの販売を通じて、自動化によるトータルコストダウンの提案に注力していく。