鉛フリーはんだや、はんだ付けに関わる材料・装置などをワンストップで提供することを得意とする当社「日本スペリア」。
新合金の研究開発にも社を挙げて取り組んで来ており、コテ先食われの抑制効果が従来品比約3倍となる新合金の開発に成功しました。現在、最終の検証段階で、早ければ年内にも日本ほかタイ、ベトナム・フィリピンなどのASEAN諸国を含む世界市場で同時発売の見通しです。
本日は、この新製品についてご紹介します。
新しく開発された無銀・鉛フリーはんだ合金の名は「TipSave N」(チップセーブ エヌ)と言います。「スズ(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)」から成る一般的なはんだ合金組成を使った当社の従来品「SAC305」(Sn-3.0Ag-0.5Cu)に比べ、新製品は小手先食われの抑制効果が約3倍以上あります。
伝導率の高い銅芯に鉄めっきを施したものが、いわゆるはんだコテです。ところが、コテは繰り返し使用されることで表面が侵食・摩耗し、最終的には銅が溶け出してしまいます。こうなってしまうとコテ先の交換が必要になりますが、生産現場で複数台の装置の小手先交換の作業に伴う手間や時間、コストは決して無視できません。
そこで当社では、コテ先のめっき残存率が高くなるよう、熱で溶かされるはんだの組成について研究。研究の成果として開発された製品が「TipSave N」です。コテ先食われを抑制することで「コテ先の交換コスト」「交換のタイムロス」「実装品質のバラツキ」などの課題についても一気に解決することができます。
新製品「TipSave N」は、コテ先温度約400℃、連続12,000回のはんだ付けの条件下で繰り返し使用テストを行ないました。従来品「SAC305」はテスト後のコテ先のめっき残存率が23%で、大きくコテ先が侵食されました。しかし、新製品の残存率は73%と従来品比3倍を超える結果を残しました。
現在、最終の確認段階にありますが、新製品については生産ラインにはんだ付け工程がある装置メーカーなどの需要を想定しています。こうした生産現場では、連日にわたり数十台、数百台ものはんだ付けロボットが作業を繰り返し行ない、コテの侵食も桁違いに多い。トータルコストダウンを実現する新合金として、お客様へのご提案を行なっていきたいと思います。
「TipSave N」は今年6月、東京ビッグサイトで開催された「電子機器トータルソリューション展(JPCA)」で初めて一般公開されました。多くの来場者が足をとめ、製品へのニーズの高さを実感することができました。
ぜひ、タイでも新製品「TipSave N」をお試しください。
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