【フローはんだ付けの不良改善!】 ブリッジ・赤目・未はんだを防ぐには 日本スペリア社・タイ
10/10/2024
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西田 大修Managing Director

当社、日本スペリア社は「鉛フリーはんだ」をいち早く開発したことで注目を集め、はんだのリーディングカンパニーへと成長しました。タイには2000年に現地法人を設立し、今年で20周年を迎えます。

本稿では“はんだ付けのプロフェッショナル”として、基礎的な知識と不良低減のためのヒントをご紹介します。


プロが解説! はんだの基礎知識

Q: そもそも「はんだ」とは 「はんだ付け」とは?
はんだ(半田)は、鉛や錫を原料とした合金です。最近では環境面で鉛を使うことが少なくなり、鉛を含まない「鉛フリーはんだ」が主流です。
はんだは組成により溶ける温度(融点)が違います。はんだ付け温度や母材に合わせて適切なはんだを選ぶことが大切です。はんだで金属同士を接合したり、電子回路に必要な電線・端子・コネクタなどの電子部品をプリント基板に固定する作業を「はんだ付け」と言います。

Q: 「はんだ付け」の注意点は何ですか?
「はんだ付け」の主な用途はプリント基板と電子部品の接合ですが、言い換えると「物理的に、且つ、電気的に接合すること」です。例えば、物理的=固定するだけであれば、ノリでもクリップでも良いわけです。しかし、この両方の特性を持つものの代表格が「はんだ」です。

さらに詳しく説明すると、適正な「はんだ」と温度と「フラックス」を組み合わせることで、はんだの成分が母体にしっかりと馴染んで拡がります。これを「濡れる」と表現します。はんだが富士山の裾野のように広がっている状態が「濡れの良い」理想的な仕上がりですね。

プリント基板へのはんだ付けの場合、銅箔とはんだの接合になります。「濡れる」と同時に、はんだに含まれる錫(Sn)が銅(Cu)の中に拡散し、接合境界面に錫と銅の合金層が形成されます。さらっと言いましたが、この合金層の形成が非常に大事で、この合金層が無ければ、先の物理的・電気的な接合を保持できません。

はんだ付けとは、適正な温度とはんだ/フラックスを組み合わせることで、母材に対してはんだを濡らし、合金層を形成し、はんだ付け対象物同士を「物理的に、且つ、電気的に接合すること」です。

Q: フローはんだ付けとは何ですか?
フローはんだ付け(フローソルダリング・ウェーブはんだ)とは、はんだ付けを効率良く・低コストで・大量生産するために考えられた手法のひとつです。
溶かしたはんだを槽(はんだ槽)に溜めておき、その上を通過するプリント基板に向かって液状のはんだを噴き上げて接合する工程「フローはんだ工程」といいます。

Q: フロー工程で発生する問題や不良にはどのようなものがありますか?
はんだ付けの手法に関わらず、よく起こる不良として次のようなものがあります。

①ブリッジ
はんだが部品(リード)の間に流れてつながり、ショートしている状態。
原因は「はんだの量が多すぎる」、「部品の向きの問題」などが考えられます。
②赤目
銅の部分にはんだがうまく広がらず、剥き出し状態になっていること。
銅箔が焼けて赤く見えることから、こう呼ばれています。
③未はんだ 
見た目には接合しているが電気的な接続が不完全な状態。
はんだの量が少ない、接合部が汚れている、電極が浮いている、など原因は様々です。

改善ポイントは様々ですが、はんだ付け条件が適正でない、フラックスの塗布量が適正でない、フラックス自体の効果が弱い、等があります。


フラックスを使いこなして、不良ゼロを目指す!

Q: フラックスとは何ですか?
フラックスとは、はんだ付け促進剤です。はんだの不良改善の方法は様々ですが、フラックスを上手く使いこなすことは、有効な対策のひとつです。

■フラックスの3つの役割
① 清浄化作用
母体の表面についたゴミや酸化膜を取りのぞく
② 酸化防止作用
接合させる金属の酸化を防ぐ
③ 表面張力低下作用
溶けたはんだがもっている表面張力を抑え、「濡れ」を促す


フローはんだ付け用フラックス 製品概要

耐熱性に優れ、活性維持に優れた製品です。幅広い条件下で確実な濡れあがりをサポート!

NS-F851 製品の詳細はこちら


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