無銀系はんだペースト『SN100CV P608 D4』
基板実装のリフロー工程で使用されるはんだペースト。市場では実績も豊富なSAC305(Sn-3%Ag-0.5%Cu)と呼ばれる組成が多く使用されています。
しかしながら世界的にコロナの影響を受けた2021年、はんだに使用する金属地金相場が高騰しており、主材料である「錫」「銀」「銅」の価格がどれも高値をつけています。
▲金属地金相場グラフ
特に「銀」の価格高騰に伴い、これまで以上に注目を集めているのが銀を含まない「無銀」組成の鉛フリーはんだです。当社が開発した「SN100C P608 D4」もそのひとつ。銀を含まないため銀相場の影響を受けないだけでなく、はんだの信頼性も高く、実績20年&ノートラブル。品質・供給体制も安定しています。さらに、はんだペーストでは「SN100C P608 D4」をベースに、改良を加えた“無銀”高強度タイプの合金「SN100CV P608 D4」が最適です。
最近では、はんだペーストの無銀化/Agフリー化を検討されるお客様がぐっと増え、弊社にもたくさんの引き合いを頂いております。そこで今回、スペリア一押しの無銀系はんだペースト『SN100CV P608 D4』(以下、SN100CV)をご紹介いたします。
ポイント① 高強度の決め手はBi添加!
SN100CVは基本組成のSn-Cn-NiにBi及びGeを加えた鉛フリーはんだ合金です。Bi添加による固溶強化によって「はんだ合金自体の高強度」を実現しました。
各種Pbフリーはんだは、粒界滑り・転移防止を目的として様々な元素が添加されており、その代表格はAgです。SN100CVはAgフリーを実現するため、代わりにBiを添加しています。
主成分のSn(錫)とは異なったBi原子を加えることで金属の変形を防止=高強度化を実現しています。
▲SN100CV組成イメージ
ポイント② SAC305組成と同等の温度プロファイルで生産可能!
Agフリー組成の懸念点と言えば融点上昇がありますが、SN100CVはBiを添加することで単純Sn-Cu組成よりも融点を下げ、SAC305組成の融点に近づけることが出来ています。
<SAC305組成との融点比較>
融点 | |
SAC305組成 | 217~220℃ |
SN100CV | 221~225℃ |
既存のSAC305組成でお使いのプロファイルで生産が可能、無銀化による融点上昇を克服しています。
▲プロファイル例
ポイント③ 安心・安全の完全ハロゲンフリータイプ!
SN100CVは、ハロゲン元素ゼロ%の完全ハロゲンフリータイプ。実装後の品質はもちろん良好、連続印刷性にも優れたはんだペーストです。
耐ボイド特性にも優れ、リニア型プロファイルと併用することでボイドを減らす効果もあります。
▲リニア型プロファイル(左)/ハット型プロファイル(右)
SN100CVは、はんだ接合後の高温状態に於いても接合強度は低下せず、高い信頼性を維持。Sn-Cn-Ni組成に比べ融点も低いことから、電子機器の接合はもちろんのこと、大電流が流れるはんだ接合部がある機器や、高温状態で使用される機器等に幅広く応用可能です。
コロナウイルスが収束するまでは、金属材料の価格高騰は続くのでは…?という声も耳にします。この機会に、ぜひ無銀はんだ「SN100C P608 D4」「SN100CV P608 D4」をご検討下さい。